第3章
1節―最果ての宮―
70のボス
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態で結局倒すのに1時間以上かかってしまっていた。
なにせ1発で10万以上も減らしてくるのだからその強さはありえないものだろう。
まぁ、ここらになってくると雑魚敵の1体の強さが上級魔族クラスにまで跳ね上がっているのだが。
「…おし、入るか」
ソウヤはストレージから薙沙を取り出すと背中に現れた鞘に収納して、目の前の扉を片手で開け入っていった。
ボス部屋と言える場所に入ったソウヤが感じたのは、真っ暗という感想だった。
しかし、ソウヤはその暗ささえ気にせずに剣さえ抜かずに歩き続ける。
今この部屋に敵が居ない…そんなことを第6感がささやいているからであった。
ある程度進むと、ソウヤを歓迎するものが居た。
それは左右に並べられていた松明の炎の明かりで、それが部屋全体を照らしボス部屋を見せる。
いつも通り巨剣を振るえるほど大きい空間ではなく、しかも50、60層よりさらに小さくソウヤには感じた。
そして――
「女…?」
――ソウヤの目の前には、ソウヤより1,2歳ほど下であろう女性が微笑んだ表情なまま立ち竦んでいた。
ヤバイ。
そんな警報がソウヤの第6感が、サブスキルの危険察知が叫んでいる。
逃げろ。
ソウヤの本能がここから退避することを選んでいる。
―勝てない…!
ソウヤは人生で初めて、本当の恐怖と出会った。
「あら、本当にここまで来たのね。”均等破壊”のソウヤさん?」
「…ずいぶん綺麗に言葉を話すじゃないか。……何者だ」
「貴方が知る必要はないし、知ってどうこうなる訳でもないけど…。貴方が勝ったなら教えてあげる」
「正直な話、お前と闘うより100万の魔物と戦ったほうが良い気がするがね」
その言葉にクスクスと女性は笑う。
それはまるで天使のような美しさを持っているが、そのほほ笑みでさえソウヤには冷や汗を流すことしか出来なかった。
「大丈夫、私が本気をだすことは禁じられているもの」
「禁じられている…?」
「そう、私の主様に」
そう言って、女性は天高く右手を突き出す。
すると一瞬で光が集まり、1本の剣に形作った。
それを女性は掴むと一瞬で神々しい長剣が生まれる。
「さぁ、始めましょう。ダンスを」
「…わかった。下手だがよろしく頼む」
「大丈夫、私は手加減が上手なの…よ!」
女性はそう言い終わると瞬時にその姿をかき消した。
ソウヤはそれを気配だけで追うと振り下ろされる微かな殺気を頼りに雪無で防御する。
鋭く高い音がぶつかり合う数瞬後に空間に鳴り響き、そしてそれが鳴り始めると同時にソウヤと女性は動いていた。
―ッチ、雪無じゃ折れるかもしれないな。黒鏡破
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