第3章
1節―最果ての宮―
ダンジョン
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
ソウヤは黒鏡破を取り出すと、薄暗い通路の中を歩き続けた。
しばらくすると魔物の気配を感じる。
瞬間、背筋が寒くなるのを感じてソウヤは咄嗟に後ろにジャンプした。
「がぁっ!」
目の前から急に何かが現れソウヤの一寸先の空気を切り裂いた。
ソウヤの前髪が少し斬れる。
「っく…!」
ソウヤは苦し紛れに声を絞りだすと、左手を地面につきバク転を行う。
無事、着地したソウヤは攻撃してきた相手を睨みつけた。
攻撃してきた魔物は、二足歩行する蜥蜴…つまりリザード種だったようだ。
しかし、その持っている曲刀は名刀であることが一目でわかる代物で、身にまとっている簡素な防具もそうである。
リザードマン自体も只者ではない、すくなくとも中級魔族位はありそうなほどの威圧を漂わせていた。
―リザードマン…エリートってところか。まぁ、エリートで済むなら良いんだけど。
リザードマンエリートは、自身の得物の曲刀を構えた。
ソウヤも黒鏡破を構える。
「シャァっ!!」
リザードマンエリートが先に動き、ソウヤに曲刀を振るう。
ソウヤはそれに対応しようと横にステップしようとするが、壁があるのに気付き急いでバックステップする。
しかし、リザードマンエリートはそれ以上深追いをしようとしない。
「っち。やはり誘いには乗らない…か」
ソウヤは、舌打ちすると再び黒鏡破を構えリザードマンエリートに突っ込む。
黒鏡破を上段に構えると勢い良く振るう。
しかし、それにリザードマンエリートは対応し曲刀で軽く受け流してきた。
「っぐ…!」
ソウヤは小さく呻くと、足を地面にすべらせると回転してその回転運動を足した黒鏡破をリザードマンエリートに叩きこむ。
それにも対応したリザードマンエリートは曲刀で防御しようとするが、一瞬で破壊され術無く真っ二つになった。
ドサリ…そんな音がしてリザードマンエリートは地に倒れた。
「はぁ…はぁ…」
ソウヤは少し息が荒いのを感じながら、感じたことを考える。
―正直、リザードマンエリートはヤバイ。装備しているものは業物だし、何よりあいつ自身がもっともヤバイ。ステータス的に圧倒的に勝っているはずなのに、すべて剣術で避けられ、全て対応してきた。
経験の差なのだろうとソウヤは考える。
そしてなにより、ソウヤは足りないものに気付く。
―俺が危なかった原因は…経験不足、最終的にゴリ押し、そして…剣術、か。
ステータスでは剣術は王級までいっているが、ステータスでの剣術は剣を壊しにくくなったり、鋭くなったり、剣を扱いやすくなるというだけだ。
他に技が増えるだけである。
つまり、本当の剣術と
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ