第2章
3節―始まり―
――そして
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、ソウヤは手を地面について膝をつく。
身体がもう限界なのだ。
だが、この身体のままでいればいずれか大量出血で死ぬだろう。
「がっふっ!」
口を開けば血しか吐くことが許されず、焼けるような痛みがソウヤの腹と右脚に襲っていた。
いや、もう完全に身体中が火に焼かれているのではと思えるほど…痛い。
―もう…休もう。疲れてた…。
身体がもう限界なのを知って…ソウヤはついに、その身を血の海に沈めた。
口の中に紅い…ナニカが入ってくる。
―臭い…鉄の味がする。
ソウヤは段々と意識を失っていくのがわかった。
そこで…何らかの力によって…ソウヤは血の海から這い上がる。
もう、景色が赤色に染まっており…なにも見えなくなっていた。
その誰かが話す。
「……ヤ…ん。………ら……た…と……ば…………れ………ま…。」
なんて言っているのだろうか…それがソウヤには見当がつかなかった。
ただ…どこか知っている声なのは、ソウヤは理解している。
「……は…………”賭け”…す。……が、………さ………、…け…に勝つ……………ます」
なにか…温かいものが額に当たる感触をソウヤは感じた。
そしてそれはソウヤの眼の中に入っていき…段々と景色に赤みが消えていく。
その景色は…血と炎をバックにしたルリの泣き顔だった。
それを気付き、ソウヤはできるだけ耳を貸そうと全力を尽くす。
「ソウヤさ…。…………挫けないで、…………帰って……ください」
そして…ソウヤは青い輝きに包まれると同時に、その意識を断った。
歯車は狂い、運命は捻じ曲げられ…そして――
――始まる。
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