第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族2体
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「本気の”ほ”も出していないくせに何言ってるんだ」
ソウヤのその発言に、将軍魔族たちは両方見合わせてソウヤを最後に見る。
「だが、君も本気の”ほ”…。出してないんだろう?」
「…当たり前だ」
ソウヤはその問いに嗤った。
将軍魔族たちはそれを聞くと嬉しそうに顔を歪めてそれぞれの得物を構える。
ソウヤもそれにならって巨剣と巨盾を構えた。
「将軍魔族が一人、ロウ」
「同じくシンク」
「妖精のヒューマン、ソウヤ」
それぞれが順番に名乗っていく。
それは今からは本気を出すぞという宣言でもあり、”肩慣らし”はここまでという宣言でもあった。
「「「行くっ!」」」
その刹那、ソウヤとシンクと名乗った男の将軍魔族が鍔迫り合いを行う。
それを予測していたロウと名乗る女の将軍魔族が持ち前のリーチのある槍でソウヤを攻撃しようとする。
ソウヤはそれに気付くとザースで槍の攻撃を止めて受け流すと同時にシンクの鍔迫り合いも受け流して見せた。
それにより出来てしまった大きな隙を突かんとソウヤはレジドを振り下ろす…わけなくそのままシンクを踏み台にバックジャンプを行う。
次の瞬間、ソウヤが居た場所に”何か”が通り過ぎロウの手の中にすっぽりと収まる。
両者同時に地面に着いてその数瞬の接近戦を終わらせた。
先程と違うのはロウの手の中にある武器が変更したことだけだ。
「その武器、変形するのか」
「そうだ」
あっさりと自分の武器の特徴をばらしてしまうロウ。
本当は駄目であろうこの行為も、ソウヤや将軍魔族クラス同士の対決だから出来る事。
どうせすぐにばれるのだから話しても良いだろうということだ。
ソウヤはすぐにザースを前に突き出すとそれに隠れるように突っ込んでいく。
「愚策だ…ね!!」
シンクはそう言ってザースごと切り刻んでやろうと、真正面から突っ込む。
その行動にソウヤは臆することなく、反対にスピードを下げるどころかどんどん加速していく。
そしてシンクはザースの表面にその大剣を斬りつけた。
そしてザースはいとも簡単に真っ二つに斬れ…その存在が空へと消える。
「なっ…!」
その現実にびっくりしてしまうシンク。
幻術だろうが、それを必ず気付くほどの技量を持っているシンクが惑わせたのだ、それは混乱するだろう。
しかし、忘れてはならないのだ…ソウヤにはいくつものチートがあるのだと。
「ぉぉおおおらあぁぁぁ!!」
どこからか、ソウヤの声が聞こえる。
ソウヤが何処にいたのか、それを知るのはシンクが吹っ飛ばされる直前だった。
シンクは急いで体制を立て直すと地面を深く削りながらもそのスピードを落とす。
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