第2章
2節―運命が許さない旅―
魔物の軍団
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は感嘆の声を心の中で上げた。
ソウヤは水を用意して、男性に渡す。
「す、すまねぇ…恩に切るぜ……」
そういうと、男性をコップに入った水を一気に飲みほすと近くに有った椅子に身体を預けて、話を続ける。
その頃にはもうナミルや、エレン達も硬直から抜け出していたようで、真剣なおもむきで話を聞こうとしていた。
「陥落した話が届いたのはついさっきで、陥落自体は4日前だったらしいんだ」
「…こちらに向かっているのか?」
「あぁ。途中あったいくつかの砦もすぐに崩壊しちまって……クソッ!」
非常に憎たらしい表情で、男性は椅子の腕置きを叩く、恐怖なども混じっているのをソウヤは見逃さなかった。
しかし、この状況で恐怖しない方がおかしいというものであろう、いや、反対に混乱していないだけこの男性の神経は図太いのだろう。
ソウヤは男性の顔をしっかりと見つめたまま、次に気になる点を告げる。
「魔物の数は分かるか?」
「あぁ、そりゃああんなに目立って行進してりゃあ大抵の数は分かるさ…」
「それで、何体いたんだ?」
「約1万、それが魔物の数だ。それに加えて下級魔族、中級魔族とそろってやがるらしい」
ソウヤは、めんどくさいことこの上ないこの状況に溜息を吐かざるを得なかった。
そして、しばらくソウヤは目を閉じて試行錯誤をすると、目を開きエレン達に告げる。
「エレン、食料は買い漁ったか?」
「あぁ、問題ない」
「なら全員俺に着いてこい。…当然ナミルもだ」
「別に良いが…。まさか、あの数を俺たちだけで?」
ソウヤはそれにニヤリと不敵な笑みを浮かべると…急に軽い足取りになり外に躍り出る。
それに着いて行った男性含め全員は、ソウヤが広場の中心に立っていることに気付く。
そこのソウヤは、通常の生活用の服ではなく…完全武装を行った姿だったのだ。
「この村の人、よく聞け。ここから立ち去る必要はない、なぜなら――」
ソウヤはそれだけ言うと、黒鏡破を鞘から抜き出し…空間魔法により巨大化させた。
それをゆっくりと振り上げると…今までにない重圧を持った声でソウヤは声を張り上げる。
「――『|均等破壊(バランスブレイカー)』のソウヤが!ここに居る者すべてを守り抜くことを誓うからだッッ!!」
ソウヤが本来ならば厨二臭いと言って、嫌っていた二つ名…『均等破壊』。
『均等破壊』とは、この世界が保っている均等…つまり世界のバランスを破壊する者として名付けられた二つ名。
それは、二度とだれにも着く筈のない二つ名だった。
なぜなら、その二つ名を持つという事は…”神にも抗う力を持つ”と同じ意味を持っているからだ。
それを、ソウヤは公言し、なおかつ村の人々がギリギリ気絶しない程度の重圧
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ