暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第2章
2節―運命が許さない旅―
ソウヤの苦悩
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強さを誇っており作った本人もおどろいて、ソウヤもあわてて追加で大量資金を贈ったほどだ。
 そしてこの武器の最大の特徴、それは炎を纏わすと攻撃力が倍増するのだ。
 それほどの攻撃力を持った攻撃を退けたポールドを襲ったあの魔族はどれほど強いか想像できると思う。

「行くぜ…ッ!」
「いいだろう!」

 ソウヤとルクスは同時に今までのもので一番強い技を綴った。

「地獄の青火よ、燃やせ…『獄青炎の剣』!」

 ルクスは当然のごとく『獄青炎の剣』を発動させ、ソウヤはなんと――

「斬り燃えろ地獄炎…『地獄炎剣《グラドルサイア・ファイソーガ》』!」

 ――昔から愛用していた『地獄炎剣』を発動させていた。
 その行動にルクスは驚きを覚え、それと同時になぜそんな弱い技をと怒りを覚えた。
 しかし、ソウヤはそんなことはみじんも考えておらず、反対にニヤリと不敵な笑みを浮かべて『魔魂剣』を構える。

「分かっていないようだな、ルクス。俺はこの技が一番強いと思ってる。ただそれだけだ」
「…いいだろう。その選択、間違ったことを思い知らせてやろう!」

 たしかにこの選択は間違っていたかもしれない…とソウヤは心の中でルクスのマグマのような炎を見てそう思った。
 ソウヤは1つ溜息を付いて、一気にルクスに飛び出した。
 そしてルクスの巨刀とソウヤの巨剣がぶつかり合い、巨大なエネルギーが飛び散る。
 その中でソウヤはつぶやいた。

「ただ、弱いのはそれは…」

 その瞬間、ルクスの巨刀が弾き飛ばされた、数秒しかたっていないのに…だ。
 驚愕に顔を染めるルクスをソウヤは見ながらつぶやいた。

「ゲームの中でのステータス上の話だろ?」

 次の瞬間、ルクスは真っ二つに切裂かれて、地面に転がり落ちて行った。
 魔族特有の生命力で未だ多少生きているルクスは呆然としながら「何故だ…」とだけつぶやく。

「あんたの選択は間違ってないさ。ただな、この世界はゲームでもなんでもない。威力以上に必要なのはプレイヤースキルだよ」

 ルクスはソウヤの意味不明な言葉を聞いて、その命を散らした。
 パチパチ…と未だ炎が木を焼く中、ソウヤは昔の自分を悔やむように苦しげにつぶやいた。

「巨剣ばかりにたよっちゃいけないんだよ…」

 ソウヤの手には、大長剣の姿になった『魔魂剣』が握られていた…。

―称号『炎の剣帝』が『炎の剣王』に進化しました ―
―能力…炎での攻撃時攻撃力×4 炎での攻撃される時防御力×6 ―
―   火魔法が中段王級まで進化可能           ―

 静かにゲームでは必ず見ていたはずのそのウィンドウを静かに見つめながら…。




「ソウヤッ!?無事か!」

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