第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
む。
「なッ!?」
こいつ知能が発達しているのか!?という言葉は紡がれることもなく、急に腹に起きた衝撃にソウヤは数十m吹っ飛ばされる。
空中でなんとか体制を立て直し、地面に着地したソウヤだが中級魔族に目を向けたとき、その顔をこれ以上ないほどの驚愕に染めた。
「なんだよ、これ…。進化…してるのか……?」
目にしたもの、それは中級魔族がその場で丸まり徐々に大きくなっている場面だった。
不意にソウヤは立ちくらみを覚えてその場で膝をつく。
それを不思議に思ったソウヤはステータスを開き内容を見てみる。
「MPが33000まであったのに13000に減ってる…?それに状態異常に『魔力吸収』…まさか…!」
ソウヤは徐々に増え続ける中級魔族と徐々に減り続ける自分のMPを見比べて、ある説を作り上げた。
それが本当だとしたら…とソウヤは思い歯をいたいほど噛み締める。
「やばい…な。あいつ、俺の魔力を喰って成長してやがるのか……」
ステータスを見ればMP残量が残り12000ほどで、この分だと後1分も持たずにソウヤは倒れることは明白だった。
ソウヤは黒鏡破をアイテムストレージに入れて出来るだけ中級魔族からはなれようと森の中へふらついた足を運ばせる。
『魔力吸収』は相手から魔力を奪えるのだが、低確率で強烈な立ち眩みが追加で起こってしまうのだ。
「なんつう…運が悪いんだよ……クッソ…!」
ソウヤは自身の運の悪さを呪いながら、木に手を付きながらのろのろと歩き続けた。
しかし、それから10秒経たずにソウヤは地面に両ひざをついてしまい、さらにその場で倒れてしまう。
段々とMP不足で目の前が真っ暗になる中、ザッザッザッという草を踏む音だけが、ソウヤに聞こえた…。
「なんであんなのがいきなり現れるんだ…?」
エレンは森の中ソウヤが居るべき場所へただ走り続けていた。
理由は簡単で、いきなり上級魔族が現れたから、という簡単だが頭を抱えたくなるものである。
エレンの少し遠くにはその場で暴れまくっている額に角が2本付いた全身が赤黒い上級魔族の姿が映っていた。
エレンはそこで違和感を覚えていた、上級魔族が居るなら高熱を帯びた巨刀が見えるはずだ…と。
「くっ…!嫌な予感がするな……」
エレンはそうつぶやくとさらにスピードを速める。
そこで20秒ほど駆けていると、だれかが倒れているのが目に入った。
「まさか衛兵か冒険者か…?いや……あれは…まさかッ!」
エレンは背筋に冷や汗が流れるのを感じて全速力でその倒れている黒衣の人に近づいた。
その人は男で髪は見覚えのある漆黒で服装もほぼ全部が漆黒。
エレンはその男を大事そうに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ