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グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第2章
2節―運命が許さない旅―
エレンとルリの実力
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に入れていることで、比較にならないくらい強くなっているのだ。

「じゃあ行ってらっしゃい」
「安心して待ってろ」

 エレンはその場を後にして下級魔族たちに向かって走って行った。
 一方、ルリの方もソウヤの言葉が耳に入っていた。

「君っ!あとは自分たちでみんなを誘導するから行ってきてくれ!」
「えっ?あ、あの…」
「早くッ!!!」
「あ、はいっ!お願いしますっ!!」

 ルリは冒険者の1人に頭を深く下げるとその場所を後にした。
 それを見ていた隊長であった兵士はその冒険者の背中をたたき、ニッと笑う。

「お前冒険者ばっかりに良い顔させねぇぜ。おいてめぇら!この町を守る兵士が役目を忘れてどうするッ!?魔物があいつらから飛び出たら速排除だッ!良いなッ!!」
「「「「「「「「「「了解いたしましたっ!!!」」」」」」」」」」

 その場所はもう、4人の者たちによって団結し始めていた。




 ルリは背中から聞こえる冒険者や兵士の巨大な声に、安心しながら目の前に着実に存在している下級魔族に向かっていた。
 周りの光景が見えないほどのスピードでその下級魔族に近づくと、右手に持つ黄金固地(ウォポルグ・ビプドミズ)を下級魔族の1人に向かい振るう。
 角の生えた下級魔族はその一撃をもろに食らうとその場でよろめき、体制を崩す。
 ルリはその場で地面を削りながらその速度を緩めて止めると、下級魔族2人を睨みつける。

「…ソウヤさんはそんなことをしても……たとえ10万の軍勢でも死にませんよ。ヴェルザンディ」

 すると、どこからともなく女性の声が聞こえてくる。

「あら、女神に見守られし者。言うようになったじゃない。昔は無知でギャアギャアと泣いていた癖に」
「昔は昔ですよ。それよりヴェルザンディ。あの方の許可は貰っているんですか?」
「貰っているわけないじゃない。あの方が許すとでも?」

 ルリはその場で小さく溜息を付いて、剣と短剣を構えると下級魔族を再び睨みつける。

「まぁ、そんなことではソウヤさんは死にませんし私たちも死にませんから安心する事ですね。では…」

 ルリはその場でそれだけ告げると、一気に走り出す。
 角を持った下級魔族は唸り声を上げるとその手に持つ大剣をルリに向かい振り下ろす。
 それをルリは右手の剣で滑らせることでその大剣の角度を微妙に変えるとその懐に飛び込み、左手の|音速白銀(サイレント・ミニット)をその下級魔族に振るう。
 ありえないくらいに研ぎ澄まされたその短剣はいとも容易くその下級魔族の皮膚を気付付けた。
 その場から脱出したルリは次のフードをかぶった下級魔族に狙いをつけようとしたが、次の瞬間目の前に広がった炎に速度を上げることでなんとか対処する。


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