第2章
1節―旅の中で―
現状認識、そして神々の話
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景と思えてきた。
ほかの異世界人は今はもう、各自に思い思いの生活をしているのだろう…こんな生活はソウヤたちが居た世界では到底かなわないだろうから。
ソウヤはそう思うと、自分は思い思いどころか細いロープの上を綱渡りしているという、つらい生活を嘆きたくなった。
―…小説とかだったら主人公がチートで、思い思いに過ごすんだろうなぁ……。こんな切羽詰まったような生活は送らずに。…でも、これが本当のファンタジーの世界なのかもしれないしな。
確かにソウヤもその仲間もチートではあるが、ほかの創作物とは全然違いギリギリの状態で生き残っている。
しかし、あくまで創作物は創作物であり現実は無情であるのだ、そんな思い思いの生活を送れる方がおかしいのだ…だからこそのチートなのかもしれないが。
「まず、魔族がいくらなんでも強すぎだろうが…。オンラインゲームを元にしているとはいえ……な」
ソウヤははぁ…と溜息をつくと布団に深く潜り込む。
そして、いつになったらこの生活から抜け出せるものかと考えながら無音の中でソウヤはそのまま闇に意識を飲まれた。
「…ははは、本当に切羽詰まった生活してるよねぇソウヤ君は」
男はディスプレイに泥のように眠っているソウヤが映っているのを見ながら、不気味な笑みをこぼした。
現実でいうと、ソウヤ以外の異世界人は”死んだ者”以外はハーレム、または逆ハーレムを作ったり、逆にぼっちとして独りで生きていたりしている。
そんななかでソウヤだけが精神的に苦しいような生活をしているといって良いほどだった。
男はディスプレイを見続けていると、不意に後ろに美しい女性が現れる。
その女性は妖しげな雰囲気を漂わせており、男が見ればすぐさま襲い掛かるようなエルフ顔負けの美しい身体と顔をしていた。
その女性の艶やかな白銀の髪がさらりと揺れて薄い水色の瞳が男をとらえる。
「あの子、放置していて大丈夫なの?そう「ヴェルザンディ、僕の名前はウィレクスラだよ」悪かったわ、ウィレクスラ様」
女性…ヴェルザンディは男の名前を言葉を改めて言うと、男…ウィレクスラは嬉しそうにうなずく。
ウィルクスラはヴェルザンディの言葉に笑顔でうなずくと、深い藍色の目でヴェルザンディを見つめる。
「僕の力を持ってすればソウヤ君の力なんて少年ぐらいさ」
「赤子ではないのね?」
「彼は僕を殺す手段はないけど彼を殺すのは赤子よりかは少し辛いからね」
「確かに…私たち”神”を殺すのは『神具』である『神々の剣』か『虚無の剣』でないとね」
その言葉にウィレクスラはうなずいてニヤリと笑う。
「みんなは
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