第2章
1節―旅の中で―
”英雄”
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のようにその場から立ち去る。
すると、牛魔族がソウヤをじっと見つめて口を開く。
「オマエ…オマエはゼッタイニコロス…!」
「知るかよッ!!」
牛魔族は魔巨剣を大きく振りかぶり下段からものすごいスピードで振り上げた。
ソウヤは手に持つ巨大な刀…サイレンを大きく上段に構えて、一気に振り下ろす。
2つの巨大な武器同士がぶつかり合い、そして一瞬もかからず…刹那の間にソウヤの巨刀が牛魔族の持つ魔巨剣を押しのけた。
「ナッ!?」
「うぉぉおおおおおおおおぉぉぉ!!」
ソウヤは巨大な叫び声をあげて、そのまま牛魔族をサイレンで切り裂く。
「ガアアアァァァァ!?ソンナ…バカナ…ッ!」
真っ二つに裂かれた牛魔族は叫び声をあげながらその命の炎を消えさせ、そして二度と起きない長い眠りにつくことになった。
それを遠くで見ていた冒険者たちは――
「う…うぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!やったぞおおおおおおおおお!!!!」
――数瞬の間固まっていたが、1人の叫び声によって一気にさわがしくなる。
ソウヤは『亡霊解放』の効果が切れたのか本来の黒髪黒目に戻っているが、その場で静かに息を荒くして立っていた。
そして数秒後、やっと勝ったことを実感したソウヤは、『亡霊解放』を使った後のひどくつらい眠気に襲われ、されるがままに意識を一瞬で失ったのだった…。
その日、世界中がまた上級魔族を退けたことに歓喜して、その場所ごとがお祭りがおこなわれているほどだった。
しかし、それと同時に『軍勢の期』へ向かった冒険者から言われたある言葉により、ある人物が非常に目立つことになる。
「…あの上級魔族に勝てたその5割…いや7割はそいつのおかげなんだ…。そいつはこう名乗ったんだ。『均等破壊』ソウヤってな」
そして、その冒険者たちが言った言葉に共通する言葉が必ずあった。
それは『均等破壊』、ソウヤ、巨大な刀、赤い目に赤い髪…右手には赤い鱗、そして…”英雄”と…。
”英雄”と『軍勢の期』に向かった冒険者たちが言った瞬間…ソウヤの目の前にはあるメッセージが乗せられていた。
――二つ名『英雄』を手に入れました――
ソウヤはこの日、世界中に知れ渡ることとなり、それと同時に人々から”英雄”と慕われることとなった。
そして、その『軍勢の期』の話は未来の人々から『均等が破壊された時』と呼ばれるようになり、すべての始まりだといわれるようになる。
このことは、ソウヤに新たな長旅の予感をさせたのだった…。
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