暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第2章
1節―旅の中で―
”英雄”
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な技術は…と言われていたが、ただし…これはもうゲームではなく数瞬の間でさえも動けるチートをソウヤが持っていたからこそできた芸当だ。
 そして、ソウヤが持つ巨刀が炎を纏っているのは能力を使って打ち消したのではなく、ある能力によって吸収させたのである。

「『属性向無(ショルデグベズド・ザ・レイ)』…」

 『属性向無』…それは特殊能力の(レイ)魔法の中の1つで、無属性の魔力を武器に流し込み属性の魔法を受けると、それを吸収してぞの属性を纏った武器にする能力である。
 ソウヤは馬鹿げるほどの大量の魔力を巨刀を纏う炎から感じながら少しの間だけ見つめると、牛魔族に目を向ける。
 牛魔族は得意な魔法を攻略されたせいで動揺しているようだが、今のソウヤにはそんなことは関係がなかった。
 ソウヤは身体を牛魔族に向けてまま、後ろに居るはずのユウイチとエレン、ルリに声をかける。

「おい、ユウイチ、エレン、ルリ。俺は今からこの牛魔族に強力な攻撃を行う。ユウイチら盾役は防御してタゲを取っていてくれ」
「ふぅ…。わかったよ」
「エレンとルリは出来るだけ攻撃を休まず行ってくれ…頼む」
「……了解した、必ずしとめろよ」
「はい、がんばりますっ」

 エレンとルリ、ユウイチらの声に少々ソウヤはポーカーフェイスを少しだけ崩して、笑みを浮かべる。
 そして、一瞬のうちに笑みをその顔から消すとソウヤはサイレンをそれへ放り投げると、瞬時に黒鏡破を取り出すと巨刀化させた。
 そのまま牛魔族に肉体強化で最速にまで引き上げた速さで一気に突っ込む。

「ヨウセイのブンザイデ…!」

 牛魔族はそれに反応して、魔巨剣を横払いするがソウヤはその魔巨剣の刀身の刃の部分に手を置き、そのまま上へ飛び跳ねる。
 その状態から風魔法で風圧を作り、それをソウヤは背中で破裂させると牛魔族に向かっていく。
 がら空きの牛魔族の頭にソウヤは全力で黒鏡破を振り下ろす。
 ズバッ!!と音がして牛魔族の頭に切り傷をつくる。
 ソウヤはそのまま牛魔族の頭を踏み台にして上空へジャンプして、黒鏡破をしまって空中で回っているサイレンのグリップを握った。

「頼むぞっ!」

 ソウヤはそれだけ言って地面に音もなく着地すると、そのまま振り返ってユウイチらとスイッチする。
 牛魔族とある程度距離を置いたソウヤは、巨刀をいったん地面に置いてから目を閉じて今度はしっかりと”あの”呪文を唱え始めた。

「『我…強き者…。我の導きに答えよ…。我…弱き者を守る者…。我の言葉に答えよ…。我…』」

 この世界での魔法の使い方には、主に5つの発動の仕方が存在している。
 1つ目は普通の速さで呪文を唱えることで、それは一番扱いやすい手段で全ての人が有用している。
 2つ目は言葉を速く
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