第1章
4節―茨の旅の決意―
再会の天使
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と…多分特殊能りょ…じゃなくて特殊職で、名前が『月文字騎士』」
それを聞いたエレンは顔を驚き半分、呆れ半分の表情に歪めさせて「ははは…」と乾いた声を出す。
基本、特殊能力は1000人に1人いるかどうかの確率で、大体は1つしか習得できないものが多い。
しかし、ソウヤはもう特殊能力なぞ数えるだけで恐れ多いほど大量に持っているので、エレンが乾いた声を出すのは仕方がなかった。
すると、ソウヤはいきなり真剣な表情へ変化させると乾いた声を出していたエレンも真剣な表情へと変化させる。
「…俺は、明後日かそこらでこの大陸から発つ」
「どこの大陸へ向かうつもりだ…?」
「水の妖精…ウォルフの大陸…『シルス』へ向かう」
エレンはその子飛べに対して「お前の護衛を任されているのだから付いて行くよ」とヤレヤレのポーズをしてそういう。
ソウヤはそれにうなずくと、いきなり『月文字魔法』を書き始める。
エレンの目の前に1つのきれいな円を書くと、中によくファンタジー系にありそうな魔法陣を描き始めた。
その内容はソウヤにしかわからず、それには『我の願いをかなえよ さすれば汝に対価を授けよう 我の願い すなわち疑似』というものだ。
そしてその月文字を円の中に書き終わると、真ん中に正三角形を2つ合わせたような図形を1つ描く。
するとその魔法陣は赤く光り始めてエレンを包み込み始める。
「な…!」
「ジッとしてろ」
驚くエレンに注意するソウヤ。
そして、エレンは魔法陣に完全に包み込まれ、眩しい赤色が発行する。
次の瞬間、そこには黄緑色のロングという髪をしたエレンがそこに立っていた。
初めて会ったとき、エレンはひどく軽蔑させられておりその理由が分からなかったソウヤだったが、それは髪の毛の色のせいだったのだ。
シルフはその髪の色の全ては黄緑色と定められていたのだが、エレンは昔の遺伝子なのかは不明だが黄緑色とはまた違う髪を持って生まれてきてしまった。
そのせいで見るも美しい美貌も、聞き惚れるほどの美しい声も他人から見れば気持ち悪いものでしかなかったのだ。
そして…それは1人の青年、ソウヤによって打ち消された。
「エレン、髪を触って色を確かめてみろ」
「ん…?あぁ」
ソウヤがエレンにそう告げると、なにか嫌そうな顔をして自分の真横にある髪の毛を少し取ってジッと見つめる。
数秒の間の沈黙…ソウヤはまさか失敗…?と焦ってしまうが、次の瞬間…。
「うぅ…うぅ……」
エレンの方から聞こえる小さな…静かな泣き声によってソウヤの考えは見事に打ち砕かれた。
エレンは泣いていた…あまりの嬉しさと感謝の気持ちに…。
綺麗な笑みを浮かべながら泣くエレン
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