第1章
4節―茨の旅の決意―
再会の天使
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ソウヤは話に区切りをつけてから、前々から思っていたことをエレンに向けて静かに告げる。
エレンは「勘…かな?」とうやむやな言葉を口から放つが、それはソウヤを怒らす…まさに火に油を入れるようなものだった。
「アホかエレン!?それで間違ってたら、どうする気だったんだよ!!」
「…謝罪かな?」
「アホ!!能力は途中で止めることは出来んだろうがッ!」
それに対してエレンは「あはは…」と乾いているが、それでも美しく感じられるような笑みを浮かべる。
しかし、ソウヤはエレンの超絶的な美人の笑みなどはもう見慣れてしまったので、慌てることもなくエレンの頭を非常に弱くはたく。
だが、ソウヤはそれだけでも普通の冒険者ならば吹っ飛ばされる力をその平手は帯びていた。
それに気が付いたのかエレンは手に力を入れて受け止め、ソウヤに注意する。
「おい、ソウヤ。力が…ック…強いぞ…!」
「は?これでも非常に弱くしたつもりなんだが…」
ソウヤはそれを疑問に持ちながら手を放して「すまん」と謝罪する。
―これでも非常に弱くしたつもり…というより前までエレンに向けていた力と同等の割合でしか力を込めてはいないんだが…。あ…そうか。
「俺、戦士だからか」
ソウヤはそう思い直して、ふと今まで使っていなかった『月文字騎士』というのをやってみようと思ったのだ。
そうしてソウヤはステータスを呼び出してメインスキルを変えようと指を出したところでエレンに言葉を掛けられた。
「ん…?お前まだ戦士だったのか。お前今どれくらいだ熟練度」
「えっと…達神級だな」
「やはりお前はすごいな…。というよりなぜランクアップしないのだ?」
それを聞かれたソウヤは苦笑いを浮かべる。
ソウヤ自体、メインスキルの熟練度が達人級となった時点でランクアップできるのはもともと知っていた。
しかし、ソウヤはまだ17歳で本当のランクアップできる年というのが早くて30代…遅くて一生以上かかることもある。
いきなりランクアップなどしたらこれ以上にパワーアップしてもう手に負えなくなるのだ。
そうまとめていたソウヤは苦い顔をしながら言葉を告げる。
「やっぱり目立ちたくないんだよね…」
「なるほどな」
エレンがソウヤの理由に納得すると、ソウヤはため息をついてメインスキルを『月文字騎士』を装着する。
その瞬間、ソウヤは自分の身体がひどく重たくのしかかるように感じた。
それもそうだ、もともと達神級になったおかげで通常の3倍ほどアップしていたのだから、ひどく重たく感じられるのも仕方がない。
「グッ…身体が重たい。ずっと戦士付けっぱなしだったしなぁ…」
「お前は何を職にしたんだ?」
「ええ
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