第1章
4節―茨の旅の決意―
魔族の退け
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る。
その強さをしったラツルは驚嘆に少しだけ顔を染めるが、すぐさま真剣な顔をした。
「ガール様よりお強いので?」
「…ようわからん。ただ――」
そこまで巨体の男―ガール―が言うと、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべて一回言葉を切った。
それと同時に周りの炎がかき消されて一気に風によって鎮火していくのがガールの目に映る。
その炎を鎮火させた張本人であり、ガールが強いと確信したその者は…漆黒のコートとフードとズボンを被り、中に真紅の色を身に着けた男であり…そしてソウヤだった。
「――来たみたいだな」
「そう見たいですね…あんな体型では強いとは思えませんが……どうします?」
「もちろんぶっ殺す」
「では私はまわりの攻撃を…」
「頼む」
ガールとラツルはそう互いに呟くと、ラツルは呪文を唱えて炎の結界を張りその端っこに静まる。
ガールはそこから歩き出してガールの愛剣である身の丈ほどもある大剣『魔血剣』を呼び出してソウヤに刃先を向けて言葉を発した。
ザングの形はグリップから鍔にかけて紫一色に染め上げられていて、鍔は鬼のような角が生えており、刀身は血のように真っ赤に染まって不気味に光っている。
「お前…俺と戦えよ」
「……戦ったらここから引いてくれるか?」
ガールの言葉にソウヤは条件を付きつける。
その条件にガールはうなずくことで肯定すると、ソウヤは背中に背負ったレジドを引き抜き正面に構えることで交渉が成立したことが証明された。
ガールはそれにニヤリと好戦的な笑みを一層に深めると、なん合図もなく…ガールは動き始める。
「オラアアア!」
「シッ!!」
俊足を超えた速さでガールはそうやに近づいて雄叫びを上げながら斬りつけようとザング振り下ろす。
しかし、それより早くソウヤは『肉体強化』を一瞬だけ使うことで音速の域に達した速さでその場を回避する。
ソウヤは地面を削りながら走った勢いを殺して『肉体強化』を使わずに…それでも俊足を軽く超えている速さでガールに近づいた。
「はっ!」
「あめぇぞ!!」
そのままソウヤはレジドで斬りつけようと前方へ一回転して、その勢いで叩きつけるように振るう。
しかし、ガールもそれに反応してザングで防御して鍔迫り合いにもつれ込む。
「っは!!」
「良いぜ…良いぜ良いぜ!!!!!」
鍔迫り合いはソウヤとガールは互角で、どちらに転ぶこともないように思える。
その中でガールは狂気な笑みを浮かべて嬉しそうにケタケタと笑い始め、すると、互角だった鍔迫り合いが段々とソウヤに剣が押し込まれ始めた。
なんとか『肉体強化』で元の位置に戻すが、それを使ってやっと互角というところまでガールは力を溜めている。
「…フハ
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