第1章
4節―茨の旅の決意―
港街ポールト
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を持つ青年に、男は驚きを隠せない。
「なっ…。お、お前何者だッ!」
「ただの”達人級の戦士”だ」
男は愕然とする。
戦士の達人級というのは努力すれば誰でも到達できる部類に入るが、こんな見た目若い青年がなること自体はあまりない。
まずそこまで戦闘する機会がないからだ。
訓練だけでは熟練度は伸びないし、戦闘では常に死が付きまとう。
それ故に男は今更ながら知った。
今自分の目の前に居るのは、この若さにして修羅場を幾つも潜ってきた化け物だと。
「ヒッ、ヒィッ!た、助けて…!」
「大の大人が、情けないな」
地面に腰を抜かし、居もしない助けを求める男。
ソウヤは目の前の男のあまりの情けなさに眉を潜めると、無言で近づき腹に一発殴る。
気を失い完全に沈黙した男を確認すると、ソウヤは襲ってきた男たちを一纏めにして道の端に投げ捨てた。
「まぁ、誰か助けてくれるのをそこで待ってるんだな」
仕事が片付いたとソウヤは1つため息をつき、ルリの居た場所に戻る。
「片付いたし、行くぞ」
「はいっ!」
港街ポールト。
それは世界有数の貿易国と言われるほどの有名な、港街。
ここでは外からの商人たちが集まり、互いに有益に求めようと日々奮闘している。
2日以上もかけて、ようやくソウヤ達はこの港街ポールトへと着いたのだった。
「わぁ、町が真っ白で綺麗…。それにすごく塩の匂いがしますっ!」
「確かに予め知っていたとはいえ、これはすごいな」
見渡す限りの白で囲まれた町並みに、ルリとソウヤは驚きを隠せない。
その様子は田舎から初めて都会へ来た若者の反応に良く似ており、周りも「田舎者がまた来たのか」と微笑ましく見ていた。
少し歩けば必ず視界には商店が見え、屋台で焼き魚や果実を売っている所も多くある。
何より中央通路にはシルフをはじめ、ヒューマン、ガルフ、グルフ、エルフ、ウォルフというたくさんの種族が集まっているのが印象的だ。
とりあえず軽く町を見てある程度満足したソウヤとルリは、話を始める。
内容はもちろん、これからどうするか。
「まずは宿だな。寝る場所が最優先だ」
「そうですね。…えっと、宿代どうしましょう?」
恐る恐ると言った風に問うルリに、ソウヤは「そんなことか」と軽く笑って見せた。
「俺が全部払うから心配するな。手持ちはかなりある」
「申し訳ないです…」
かつてソウヤが長い間暮らした『瞬死の森』で得た素材。
王国で売った際に、予想以上に高く売れ現在ソウヤの持ち金はかなりある。
そこらの商人よりも持っているのではないだろうか。
ついでに言うと現在お金は財布代わりの板があり、そこに収納済み。
実際のお金は硬
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