第1章
1節―プロローグ―
グランドソード
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れも鋼魔法の有名どころ―をするのが常識である。
常識に従って、ソウヤも“武器鑑定”を行う。
「鋼の巨剣2本に、銀の巨剣1本…か」
ステータスを見た限り、銀の巨剣の性能が頭一つ抜けていた。
武器には武器能力が存在し、それも武器の良し悪しを分ける一つであるが、鋼の巨剣はウェポンスキルが最大2つに対し銀の巨剣は4つもある。
“合成”には主軸の空いているウェポンスキルに、素材のウェポンスキルを移せる能力もあり、それを考慮した結果ソウヤは銀の巨剣を主軸とすることに決めた。
「銀の巨剣を主軸にしようかなっと」
ソウヤはそう言って立ち上がると、それぞれ銀の巨剣と鋼の巨剣を地面に刺しこみ銀の巨剣に手を置く。
「“合成”」
視界に“合成”の詳細画面が現れるのをソウヤは確認し、それを操作していく。
主軸部分を銀の巨剣に、素材は鋼の巨剣2本。
そして決定を押すと鋼の巨剣は光となり消滅し、その光が銀の巨剣に流れ込んでいくと銀の巨剣が凄まじい光を放つ。
「うわっ…!」
目を眩ませるほどの光が収まると、そこには素朴な形をしていた銀の巨剣が全く別の形状に変化していた。
そういえば、許容範囲を超えた“合成”を行うとたまに進化が行われるんだったなぁ…とソウヤは思い至る。
銀の巨剣が変化した巨剣をソウヤは眺めると、“武器鑑定”を行う。
「固有名があるな…。名前はグラギフト。クラスは“中級魔剣”」
進化すると大体は固有名がつきそれ相応のクラスが割り振られるのだが、その中でも“中級魔剣”は固有名付きの中では中の中、本当に真ん中の階級である。
といっても開始2ヶ月ほどで、“中級魔剣”どころか“下級魔剣”にまで行く人はほとんど居らず、ソウヤがおかしいだけなのだが。
更に追加で言うならば、“中級魔剣”はあくまで“作成できる武器の中”では中くらいの武器であるが、それを省けば未だかなり低い階級ではある。
「グラギフトか。…バランス悪そうだなぁ」
グラギフトは形がアンバランスで、鍔が片方しかなくどうあがいても片方に重心が傾くように作られている。
他にも、金色の文字が装飾されていたり刀身が銀の巨剣の頃よりも輝いていたりと、普通に目立つ姿形をしていた。
今後相棒となるであろう巨剣があまり好みでないので、ソウヤは小さくため息をつくと軽く飛び上がりグラギフトの柄を握る。
「…よろしくな、グラギフト」
もし武器に意識があるのならば呆れてそうだなぁ、とソウヤは思いつつ肩に担いで森の中を歩いて行った。
そうして、巨剣使いは巨剣を手に入れたのである。
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