第1章
1節―プロローグ―
グランドソード
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どの戦闘を行っても、熟練度が1も上昇していなかった。
2ヶ月経ってもこれは、流石に異常である。
スキルの成長で最も成長しやすいのは、スキル関連の行為を行うことだ。
戦闘系スキルならば戦闘を行えば熟練度は上昇しやすいし、生産系スキルならば生産を行えば熟練度が上昇しやすい。
ならば“巨剣使い”は何により大きく熟練度が伸びるのだろうか。
もし、文字通りに見るのならば――
「――巨剣を使わなきゃならない…てことか」
“巨剣”。
そう言われて想像できるのは、身の丈を通り越した大きさを持つ巨大な剣のことだ。
名前から見て完全にそうなのだろうが、どこを探せばそんな剣が見つかるというのだろうか。
「取りあえず、今は考えてもしょうがないだろうなぁ…」
なんとなく、損している気分になりながらソウヤは森の中を歩き始めた。
次の日、ソウヤは――
「ぬおおぉぉぉぉっ!?」
「「「ガァアアアアッ!」」」
――巨人3体に追いかけられていた。
身体全体が雪のように白く、その巨体は目測3m以上ありそうだ。
しかし、その手に持つ大剣は更に大きく“5mは軽く超えている”。
―こいつ、αテストでほんの一部の人が出会ったっていう魔物だ…!
ソウヤは、そう言って逃げながら名前を思い出す。
有り難いことにその歩むスピードはあまり早くはなかった。
―確か…そう!“ホワイス・ガブルルス”!個体の強さは初期レベルダンジョンのボスクラスだった気がする…!
そう考えれば考えるほど、ソウヤの頭の中は絶望で染まっていく。
例え初期レベルのダンジョンボスクラスの強さだとしても、それが雑魚敵で出るのは早すぎるのだ。
この世界に来て2ヶ月ならば、尚更である。
―つか、なんだよあの大剣!あれ、大剣っていうよりきょけ…ん……。
ソウヤは愚痴を内心で吐きまくるが、そこで気が付く。
―あれ、巨剣に入んないかな?
ソウヤは一種の賭けにすぐさま“行う”と判断すると、“肉体強化”を使用して空へ跳躍する。
そして大木に足を付けた瞬間に1体のホワイス・ガブルルスに突撃した。
初日と同じ方法である。
―こいつ相手に、オークの剣が効くかわからないなら…!
ホワイス・ガブルルスがその大剣を振り上げ、突撃するソウヤに振り下ろす。
圧倒的な大きさを持つ刃が向かう光景は流石にソウヤも肝を冷やしたが、身体を無理やり回転させることで避けた。
そのままホワイス・ガブルルスの足元で着地すると、もう一度跳躍し次はホワイス・ガブルルスの右手を狙う。
ホワイス・ガブルルスは先ほどの大振りから回復しきっていないようで、体制は大きく崩れていた。
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