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Exhaustive justice
二話
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学校内には既に噂が渦巻いており、噂が大きく回る度に大きな尾鰭が付いていく、噂とはそういうものだ。
確定した事情ではない事を盲信してしまうことは愚かしい事だが、噂を撤回することも無い、今はこれでいい

餌が必要だった。
尾鰭が大きくなると共に餌も大きくなる事は当たり前だ、大物を釣るなら餌も大きくなくてはいけない。

「…そうだな、貴様を裁いた後に彼女も裁くことにしよう」
帝は国語の教科書を読んで座りながら扉側に散弾銃を向ける。

「月雲おおおおおおおおおお!」
叫び声をあげ、怒りを剥き出して『大物』が扉を蹴破る。
同時に散弾銃を乱射するが、

「おらああああああ!!」
大物は叫びと共に銃弾を拳で全て打ち落とす。恐ろしいスピードと動体視力の為せる技だ。

「てめーはここで潰す!!来い!月雲 帝!」
一ノ瀬零司が闘士と叫びをあげる。
帝はいつの間にか立ち上がっており冷たい眼差しで零司を睨む。

「校内では静かにしろ、それに授業妨害及び器物損害だ。貴様を粛清する口実ができた良い機会だ」

帝の能力が発動し、マントから武器が現れる、筈だったが一筋の線が驚異の速度で帝の右頬を捉えた

「ぐおああっ!」

帝は大きく仰け反り、呆気に取られた。
零司の拳であった。
それはわかっている、だが以前と違う。まるで同じ生物ではない

「どうした?そんなアクビがでるくれーのスピードじゃ、てめーが武器を取り出してる間に叩きのめせるぜ」

ハッタリではない、知識が本能が、この男は危険分子だと、勝てないと告げている。
帝はマントを靡かせて一気に距離を取る。

「無意味だぜ…!」
二メートルはあろう距離を一瞬にして積めて、零司は雄叫びを上げる
「オラアアアアアアアアアアアアアア!」
拳のラッシュが腹部にめり込む、内臓を損傷し血を吐きながら後方へ吹き飛ぶ。

「ぐっ…くそ…だが攻撃を当てることは出来たぞ…」

帝は地面に手を付き、倒れ、咳き込みながら血を吐いた。
零司の脚や体には無数の手裏剣が刺さっていたり、大きな火傷を負っていた。

「動体視力で避けられるとしても、距離が詰まっていて、攻撃に集中していれば注意力が散漫になり避けることが出来ない」

帝は距離を取りながら手裏剣や手榴弾を放っていたのだ、手裏剣は数、そして手榴弾はわざと近くで爆発させることで爆風を利用し、マントで身体を包み火傷を少しでも抑えて自分を後方に飛ばす為に使ったのだ。
力という力を凝縮した零司の拳撃を少しでも浅く受け、また距離を取ることに成功する。

帝はよろよろと立ち上がり、痰と共に血反吐を吐き出すと相変わらず。いや、いつもよりも鋭い眼光で零司を睨みつける。
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