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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第589話】
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けど――代表候補生になるのなら、これぐらいは乗り越えなければいけない。


「ヒルト。 手加減しないからね?」

「あぁ。 無用だよ、シャル」


 今のシャルの瞳は恋する少女ではなく、代表候補生として、ヒルトに立ちはだかる壁として、信念を持つ瞳だった。

 物理シールドを呼び出したシャル――ハイパーセンサーにシグナルが点る。

 接近戦――そう過ったヒルトだったが、どの距離もそつなくこなすシャル、それにシールドを呼び出したからといって接近戦とは限らなかった。

 ヒルトは電磁投射小銃を呼び出す――粒子が像を結び、形成された。

 一方のシャル、二戦共に見たヒルトの戦い――転入当初の面影はなく、すっかり頼りになる男性と改めて認識した。

 学園外に出ればいつフランス政府から逮捕されるかわからない身――だけど、そんな自分を守ってくれる、居場所となってくれるヒルトが大好きだった。

 だけど、いつまでも依存するような関係ではヒルトは見放すかもしれない――いや、ヒルトは優しいからそれは無いかもしれないが、共に歩んでいくのであれば、依存してばかりでは並び立つ事は出来ない。

 シグナルが緑色に――試合開始と同時に、シャルは物理シールドをヒルト目掛けて投擲した。

 ヒルトの様なスキルは無くても、圧倒的大容量で何枚もある物理シールド一枚の投擲はシャルにとって問題はなかった。

 意表をつく行動だが、ヒルトは物理シールドを蹴り払う――だが、蹴り払ったシールドから遅れること僅か一秒、シールドを隠れ蓑にしてピンの抜かれたフラググレネードが三個投げられていた。

 いくらハイパーセンサーでも、透視する機能は無い――サーマルセンサー等を使って知ることも可能だが、他の機能と干渉しかねないセンサー類の併用は危険だった。


 三個のフラググレネードの爆発に呑まれたヒルト――だがシャルの追撃は止まらない。

 得意の高速切替によるリボルバー式グレネードランチャー二挺呼び出し、ポシュッポシュッと軽い音と共に放物線を描き、爆発の中心へと集中攻撃をした。

 学園島に轟く轟音、爆発による衝撃波がグラウンドに砂塵を舞い上がらせた。


「ハッハッハッ! 流石の落ちこぼれも、あの集中攻撃には何も出来ずにやられましたな!」

「その様ですな。 愉快、愉快」


 まるで自分が勝った様に誇らしげに語るオーランド――本当に決着が着いているのであれば、試合終了の合図がなるという事を忘れている様だった。

 カチッカチッと弾が無くなるまで引き続けたシャル、二挺のグレネードランチャーをかなぐり捨てるとそれ等は粒子となって四散した。

 新たにアサルトライフル【ヴェント】を呼び出したシャル――。

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