第十六話
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
現在、二〇三〇。俺と木曾と時雨は岩陰から敵艦を確認しようとしていた。しかし、どうやら敵も隠れている様で、なかなか見つからない。
「いいか?こんな暗闇じゃあ目視で見つけるのはかなりキツい。敵の気配を感じろ。」
「いやいや、どこのニュータイプだよ。」
俺は思わず木曾に突っ込んだ。確かに木曾ならやりかねないが、俺達にまでそれを求めんな。
「木曾、準備できたよ。いつでも投げれる。」
すると、時雨が木曾になにかを手渡した。それは楕円形をしていて、何やらレバーの様なものが付いていた。
「えっと、手榴弾?」
「違うよ。これは時限式の閃光弾だよ。投げてからだいたい二十秒で光るんだよ。」
成る程な。それで相手の注意を向けて………いやまて。
「なぁ、二十秒で光るのか?それって先に海に落ちないか?」
俺はスポーツの試合を見るのが好きだから、プロ野球とかも見るのだが、ホームランの弾道ですらそんなに時間はかかってないぞ?それに砲撃ならまだ解るが、手榴弾だから、当然手投げだろう。
「あー、まぁそれは後でわかるとして。」
木曾はどうやら説明する必要も無いと思ったのか、話を無理矢理切った。
「俺がコイツを投げる。そんでそれで顔を出した敵艦を後ろから潰す。いいな?」
毎回思うが、木曾が俺らに言う作戦はどれもアバウトで、木曾の『なんか起きたらテメェらでなんとかしやがれ。』みたいな考えを感じる。
まぁ、だいたい木曾が全部片付けるからそれでも良いんだが。
「はいよ。んじゃ、俺と時雨は移動の準備か。」
「そうだね。」
そう時雨が言ったのと同時に、摩耶さん達が居る方向から、轟音が聞こえた。
「どうやら向こうは始まったらしいな……。あーあ、まーたボロボロになるんだろうなぁ……。」
木曾は遠くを見ながらそう言った。どうやら向こうはなかなかのインファイトをしているらしい。
これは後から報告で聞いた話だが、このときは夕立と戦艦ル級flagshipが殴り合いをしていたらしい。ただのバーサーカーだ。
「とにかく、こっちも始めよっか。木曾さん、頼みます。」
時雨はボーッとしていた木曾にそう話し掛けた。
「ん、そうだな。んじゃ………。」
木曾は閃光弾のレバーを引いた。
「そぉいやっと!!」
木曾は思いっきり振りかぶって、閃光弾を上に投げた。
………閃光弾を目で追えなかった。
木曾が放った閃光弾は、一瞬で真っ暗な空に消えた。推定高度、二〜三百メートル。
「おら、ぼさっとしないでさっさと移動するぞ!」
「早くしないと置いてくよ?」
木曾と時雨は何事も無かったか
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ