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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第十六話
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現在、二〇三〇。俺と木曾と時雨は岩陰から敵艦を確認しようとしていた。しかし、どうやら敵も隠れている様で、なかなか見つからない。
 
「いいか?こんな暗闇じゃあ目視で見つけるのはかなりキツい。敵の気配を感じろ。」
 
「いやいや、どこのニュータイプだよ。」
 
俺は思わず木曾に突っ込んだ。確かに木曾ならやりかねないが、俺達にまでそれを求めんな。
 
「木曾、準備できたよ。いつでも投げれる。」
 
すると、時雨が木曾になにかを手渡した。それは楕円形をしていて、何やらレバーの様なものが付いていた。
 
「えっと、手榴弾?」
 
「違うよ。これは時限式の閃光弾だよ。投げてからだいたい二十秒で光るんだよ。」
 
成る程な。それで相手の注意を向けて………いやまて。
 
「なぁ、二十秒で光るのか?それって先に海に落ちないか?」
 
俺はスポーツの試合を見るのが好きだから、プロ野球とかも見るのだが、ホームランの弾道ですらそんなに時間はかかってないぞ?それに砲撃ならまだ解るが、手榴弾だから、当然手投げだろう。
 
「あー、まぁそれは後でわかるとして。」
 
木曾はどうやら説明する必要も無いと思ったのか、話を無理矢理切った。
 
「俺がコイツを投げる。そんでそれで顔を出した敵艦を後ろから潰す。いいな?」
 
毎回思うが、木曾が俺らに言う作戦はどれもアバウトで、木曾の『なんか起きたらテメェらでなんとかしやがれ。』みたいな考えを感じる。
 
まぁ、だいたい木曾が全部片付けるからそれでも良いんだが。
 
「はいよ。んじゃ、俺と時雨は移動の準備か。」
 
「そうだね。」
 
そう時雨が言ったのと同時に、摩耶さん達が居る方向から、轟音が聞こえた。
 
「どうやら向こうは始まったらしいな……。あーあ、まーたボロボロになるんだろうなぁ……。」
 
木曾は遠くを見ながらそう言った。どうやら向こうはなかなかのインファイトをしているらしい。
 
 
これは後から報告で聞いた話だが、このときは夕立と戦艦ル級flagshipが殴り合いをしていたらしい。ただのバーサーカーだ。
 

「とにかく、こっちも始めよっか。木曾さん、頼みます。」
 
時雨はボーッとしていた木曾にそう話し掛けた。
 
「ん、そうだな。んじゃ………。」
 
木曾は閃光弾のレバーを引いた。
 
「そぉいやっと!!」
 
木曾は思いっきり振りかぶって、閃光弾を上に投げた。
 
………閃光弾を目で追えなかった。
 
木曾が放った閃光弾は、一瞬で真っ暗な空に消えた。推定高度、二〜三百メートル。
 
「おら、ぼさっとしないでさっさと移動するぞ!」
 
「早くしないと置いてくよ?」
 
木曾と時雨は何事も無かったか
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