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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第587話】
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たセシリアだが、意図せず速度を落とした――それに気付いたヒルトも、無意識に速度を減少させていく。


「……! ここですわ! 行ってくださいな、ブルー・ティアーズ!!」


 一斉に射出された四基の自律機動兵機、それらは多角的機動を描きつつ互いにフォローするようにヒルトに迫った。

 そして、弧を描く粒子ビームは、間断無くヒルトを全方位に降り注ぐ。

 全てを回避は出来ないヒルト――何度もシールドバリアーを掠める度に、エネルギー残量が減少していく。


「チッ……やっぱセシリアのオールレンジは厄介だな!」


 ごちるヒルトだが、包囲するブルー・ティアーズ一基、また一基と推進部を破壊し、墜落させていく。

 セシリアもその隙を逃さず、スターライトmkVによるフレキシブルでヒルトの死角から狙い撃ちした。


「ッ……!」


 またもヒルトのシールドバリアーを掠める一撃――まだヒルトは優位にたってはいるものの、シールドエネルギー残量は四〇〇を下回った。

 一方、グラウンドでは――。


「へぇ、あの子、案外やるじゃん」

「楯無の贔屓かと思ってたけど、そういう訳じゃなさそうね」

「ヒルトくんっ! 頑張れー!!」


 流石に試合を目の当たりにした上級生の評価も変化し始める。

 だが来客席では――。


「意外としぶといですな、あの落ちこぼれ」

「全くです。 あの良いお尻をしたイギリス代表候補生は手を抜いてるのではありませんか?」

「ふむ、その可能性は否定出来ませんな。 ……とはいえ、漸く調子が出てきた様で」


 グラウンドには超大型投影ディスプレイに試合の様子が映し出されていて、シールドエネルギー残量も選手パラメーター上に表示されていた。

 無論そこにはセシリアのパーソナルデータも、ヒルトのパーソナルデータも載せられている。

 互いに最新のパーソナルデータを表示している――のだが、以前楯無の不注意によってヒルトの最新のパーソナルデータが消去され、何度か復旧を試みたものの結局出来なかった。

 だからヒルトのパーソナルデータが最新ではなく、四月の物だと気付いてるのは消去した本人である楯無と、一度機会があって見ることが出来た織斑千冬以外はわかっていなかった。

 有坂真理亜は、試合を見ておらず、今なお学園整備室にこもっていた。


「貰った! 四基目ッ!」


 推進部から火を噴く自律機動兵機、四基全てを撃ち落としたヒルトだがエネルギーも三〇〇を下回っている。

 一方のセシリア、僅か一二〇と追い込まれていた。

 虎の子のブルー・ティアーズは落とされ、残ったのは弾道型ブルー・ティアーズ――スターライトmkVとインター
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