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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第584話】
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たものの、ヒルトに見られるという羞恥心に今まで出られなかったのだ。

 既に冷静な考えが出来ないラウラ、ISを纏ったのもその為だ。


「ハハハハハ! ISを使えばこの程度の障害など!」


 突風と共に突き進むラウラ――平均台へと差し掛かったその時、ホイッスルが鳴り響く。


「はい、ラウラちゃん失格〜」


 実況席から何処からともなく取り出されたレッドカード――突然の事態に止まる一同。

 わなわなと震えるラウラ――感情は抑えきれない。


「ふ、ふ、ふざけるなぁぁぁ! こんな格好までして失格だと!? ヒルトと教官達、ママ以外の全員吹き飛ばしてくれる!!」


 ここでいう教官は織斑先生と親父、ママは母さんの事だろう。

 頭を押さえる織斑先生、親父はあちゃあっといった様な表情を浮かべ、母さんは口許に手を当てて微笑んでいた。


 重い音を立て、リボルバーキャノンが平均台へと狙いを定めていた。


「ラウラ、止せ!」

「と、止めるなヒルト! 皆の記憶を消さねば私は――私は……消えろおおおおおッ!!」


 叫びが学園全体を木霊した、俺がISを展開するよりも先に発砲音が鳴り響く。

 放たれる前にリボルバーキャノンが狙撃される。


「なっ!?」

「ダメですよー、ボーデヴィッヒさん。 ルールは守りましょう」


 暢気な口調と共に部分展開でライフルを構える山田先生。

 ……ラファール・リヴァイヴ、確か前の騎馬戦で全機使用されてて、今まだ調整中だった気がするが。

 考えを他所に、ラウラは――。


「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁっ!!」


 断末魔を残し、リボルバーキャノンの砲弾の爆発に呑まれたラウラ――そのまま競技は中止となり、勝者はなしとなった。


「オワリヨケレバスベテヨシ!」

「こらっ! 君は大人しくしてなさい!」

「タスケテー、タスケテー!」


 美冬の肩に乗っていた鸚鵡も、役目を終えたからか大空高く羽ばたき、自由の身となった。

 縁があれば、いつか戻ってくるだろう……多分。
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