第一章
[2]次話
北平の悪龍
蒙古人達の国である元朝は崩壊し北に逃げ去った。そして中華には漢人達が明朝という王朝を興した。
明の都は南京となり元の都であった北平は燕王が入りそこを拠点とし来たに去った蒙古人達にあたることになった。
だがその北平に入った時にだ、燕王朱棣に彼の側近である道衍にこう言われた。
「王よ、この北平ですが」
「何かあるのか」
「よからぬものを感じます」
燕応のまだ若いが見事な長い巻き気味の髭を生やした顔を見つつ答えた。道衍は仏門に入っているので当然髪の毛も髭もない。
「ですから」
「ここを拠点にするのはよくないか」
「いえ、場所としてはです」
「いいか」
「何しろここは遼、金、元と都にしてきました」
「かつての燕もな」
東周時代のこの国もというのだ。
「都にしてきたな」
「人も多くこの辺りの往来の中心です」
「だからだな」
「はい、是非です」
「ここを拠点にすべきか」
「蒙古にもすぐに対応出来ますし」
それ故にというのだ。
「ここを拠点にすべきです」
「そうなのか」
「jはい、しかしです」
「よからぬものも感じるからか」
「それを何とかすべきです」
「では如何する」
燕王は道衍に問うた。
「ここは」
「拙僧にお任せを」
「ではその法力でか」
「そう考えています」
「わかった、では和尚に任せる」
燕王は彼の自信の程を見て決めた、それに彼の法力と学識も知っているからこそそうしたのである。
「その様にな」
「さすれば」
道衍も燕王に応えてだ、早速だった。
弟子達に命じて退魔の座を設けさせた、そして経典もだ。
「この経典を全てですか」
「今より読まれます」
「うむ、そうする」
道衍は全てを整えた弟子達に確かな声で答えた。
「そしてな」
「この北平にいるよからぬ者達をですか
「封じられますか」
「そうされますか」
「うむ」
まさにというのだ。
「その様にする」
「わかりました、では」
「これより」
「はじめる」
道衍はまた弟子達に答えた、そしてだった。
彼は座に座り経典を開いて読みはじめた、その前に篝火を焚きそのうえで読んでいった。一巻の経典を読むとさらにだ。
もう一巻読む、それを三日三晩続けた。
そして最後の経典を読み終わってからだ、炎に向けて数珠を持ったうえでその持っている右手を拳にし前に突き出して叫んだ。
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