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SAO−−鼠と鴉と撫子と
10,八双飛び
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削られた上に、後が続かない。

俺は賭けとばかりにソードスキルの構えをとった。
焦りは脳のパルスを遮断して、この世界での出力を弱めてしまう。心を落ち着けて、システムアシストの立ち上がりをしっかりと感じ取った。

「「天誅・御免」」

二人の曲刀の動きに呼応するように、俺は「ショットアウェイ」を放った。狙いは忍のどちらでもない。

遥か彼方の上空へと。だ。

まるで、ジェットエンジンでもついたかのように、俺は新たな推進力をもって、地面へと急降下する。そのまま、受け身も取れずに、俺は背中から地面へと打ち付けられた。

タイミングを完全に間違った二人のソードスキル「リーパー」は空を切ればまだ良かったのに、綺麗なフォームでお互いの腹をバッサリと切り裂き合う。
残り僅かだった二人のHPがイエローへと変わるのと、俺が地面で呻き声を上げたのはほぼ同時。

打ち付けられて、しこたま痛む頭を抑えて眼を開けた所に、WINNERのウィンドウがポップアップした。

一瞬静まった周囲から、沸き起こる大歓声と笑い声。俺の戦闘とコントギリギリの「風魔忍軍」に対して思い思いのコメントが投げられていく。

俺は体を起こして、それに右手を上げて応えた。
ややあってから、アルゴとヤヨイが歩いて近づいてくる。

「いい闘いでした。私とももう一度、今度はホ・ン・キで、やってくださいね」
「ああ、うん。今度やります」

ものすごい剣幕のヤヨイに押され、思わず承諾してしまうと、ヤヨイは打って変わってニコリと笑った。
奥の手に近い空中移動は今、晒してしまったし、何か別の手を考えておくべきかもしれない。


「忍びの者は成敗しましたぞ、アルゴ姫。つきましては勝利の報酬を」
と、おちゃらけてアルゴの方を向いた所で、正面から柔らかい何かが、飛びついてきた。

先程とは別の意味で周りがガヤガヤと騒がしくなる。

伝わってくる柔らかい感触と何かに掴まれている温かみ。視界の下に映る布のフードと金褐色の癖毛。微妙に甘い髪の毛の香り。止めは俺の胸の近くからくぐもって聞こえてくる

「かこつけすぎダヨ、クロちゃん」
といういつもとは僅かに印象の違うコケティッシュな語尾の声。

あ、俺。抱きつかれてる?

そう認識した瞬間、感情表現を誇張しすぎるナーヴギアは俺の顔をゆでダコへと変貌させた。

「こんなことされたらオネーサン、情報屋のオキテ第一条を破りたくなりそうじゃないカ」
「……あ、、相棒のピンチだし……ナ。別にいつでも頼って良いぞ」

しどろもどろの回答は単に驚いただけだ。
繰り返すけど、顔が赤いのも俺のせいじゃない。
第一、こんな場面公衆の面前で始められたら、だれだって周りの目とか気にするだろ。

あ〜〜もう。誰に言
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