第十四話「城を抜け出した赤い貴公子」
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止むことはなかった。
「……ソロモンに帰りたい」
ガトーはそうひっそりと空しくつぶやいた。
IS学園にて
「ねぇ、マリーダさんの好きな食べ物は何ですか?」
「何だ? 急に……」
学食にて、目の前の席で食事をするマリーダにそう問う一夏がいた。
「今日の休みを利用してマリーダさんと一緒に外出しようと思いまして」
「そういえば……臨海学校の準備をそろえないといけないだろ? 一夏」
「ああー、それもありましたね? でも、俺別に臨海学校で海水浴する気ないから海パンとか買いませんよ」
「なんだ、海が苦手なのか?」
「苦手っつーか……海岸って、IS主義の女性がいっぱい遊びに来てますから、トラブルに巻き込まれたくないしで、嫌なんですよ……」
「あー……それは同感だ」
「そこで、マリーダさんにアイスでも御馳走しようかなって」
「私に……か?」
マリーダは首をかしげる。
「ええ、いつも護衛してくれてお世話になってますし?」
「変な奴だな? 私は、普通に任務を行っているだけだが……日本人とは、みんなそうなのか?」
「少なくとも、いつもお世話になっている人にお礼をするのは基本ですから」
「ほう……?」
「で、もしこの後予定がないならご一緒しませんか? それに……お詫びもありますし」
「あ、そうだ! 一夏ァ……」
思い出したと、マリーダは静かに怒りを込み上げた。やはり、まだ気に障っているようだと、一夏は苦笑いである。
実をいうと、DG細胞に感染したラウラを助けるために無断で一夏達が向かおうとするも、一夏の出撃にマリーダは猛反対して彼の前に立ちふさがったが、彼女の背後にアムロがヌッと現れ、彼が抱えているハロの口から飛び出した麻酔銃の前にマリーダはバッタリと倒れてしまったのだ……
そのあと、士官のジンネマンに怒られたりなど散々な目にあったという……
「す、すみません! もうしませんから……」
「……まぁ、いい。だが、ああいう無茶なことは二度と行わないように」
「はい……」
「まぁー、その罰としてでだ。お前には特大のアイスクリームを私に御馳走させてもらおうか?」
と、マリーダはアイスクリームを思い浮かべて微笑んだ。こう見えて、有名なアイスクリーム店の広告だけはつかさずチェックしているらしい。
「とほほ……」
下手に言うんじゃなかったと、一夏は後悔した。
*
「よし……」
最後にリュックへハロを入れると、それを背負ってアムロは寮の部屋を出ようとした。
「あれ? どこ行くのアムロ?」
偶然にも玄関のドアを開けたところで明沙と落ち合った。アムロは、平然と行先を告げた。
「コミケ」
「ダーメ!」
「はぁー!?」
すると、これまでよほどのことがない限り威勢をセーブしている省エネ少年であるアムロも、この否定にだけは
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