第十四話「城を抜け出した赤い貴公子」
[11/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、ケロッと笑顔になった一夏はマリーダの手を引いてこの場を後にした。
「て、手を握った……!?」凰
「私なんて、まだ握手さえも……!」セシリア
「おのれぇ……!」箒
「ゆるざん……!!」ラウラ
*
気が付けば、夕暮れ時であった。僕とシャアはオレンジ色に染まる道を歩いている。
「今日は、実に楽しい時を過ごせたよ?」
「それはよかったですね? また、遊びに来てください」
「うむ、今度はもっと日本中を観光したいな!」
そのとき、二人の背後から「キャスバル様!」と叫ぶ何者かの名を叫ぶ声が聞こえた。
僕が振り向くと、そこには……善心包帯だらけの厳つい男がこちらを見ている!?
「だ、誰なんですか……?」
僕は、不審者を見るような目で男を見る。ちなみに、彼の周囲にはタキシード来た人や、派手な服着た人や、アロハ来た人とか……しかも、それぞれに頭上へ巨大なタンコブが腫れている。
「あ、警戒しないでくれ? 別に、怪しい者ではない」
と、包帯男はそう言ってシャアの元へ歩み寄った。
「……キャスバル様? お迎えに上がりました。私共と公国へ帰りましょう?」
包帯の男は、そうシャアに問う。しかし、このキャスバルという名前に、僕は途端に目を丸くしだした。
僕の知っているキャスバル一人しかいない。あのジオン公国の若き皇太子、キャスバル・レム・ダイクンである。
「しゃ、シャアさんって……もしかして!?」
「……騙したりして申し訳ない。しかし、君との時間は本当に楽しい一時であった。この記憶を忘れないよう、大切な思い出として扱おう」
シャアは、僕に背を向けるとその身は光に包まれて赤いザクUの姿に代わり、包帯男らの陣へはいった。時期に、彼らもジオンのMSへと姿を変えて、夕暮れ時の彼方へ旅立ってしまった。
「……」
そんな、始終を僕はぼんやりとなだめ続けた。いやはや、世の中は時に驚きと衝撃の出来事もあって、僕の心臓に悪いや。
まさか、あのキャスバル・レム・ダイクンと親しく友人のように互いの趣味を熱く語り合いながら、楽しい時間を一緒に過ごしたなんて……明日、みんなに自慢したってきっと信じてくれないだろうな? いや……
僕は、ハロを抱えてシャアことキャスバルと撮った写真を見た。これが証拠だ。でも、やっぱり内緒にしておこう。
「さて、帰るか……」
帰って明沙にみっちり説教されるだけが落ちかも……
僕は、このあとトボトボと学園の寮へ帰った。案の定、明沙にみっちり説教されて夜遅くまで部屋の片づけを一緒にすることになった。
ジオン公国、キャスバル宅にて
「王子! 今までどこへ行かれていたのですか!?」
護衛のラルが血相を書いて駆け寄ってきた。
「なに、ちょっとばかし日本でMSの慣らしをだな……」
両手を後ろに組み、カーペットが敷かれた長い廊
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ