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転生してもいいんじゃないかな
転生できないの?
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いた。ここで待ってて」

 家……マジかよこれ。
 丸太を横に倒してそのまま中をくり抜いて作ったらこんな家が出来るだろう。
 けどこれ……木の大きさ半端ねえ。

 横にも似たような家が木の長さ分だけ連なってるし。

 どんどんと中からけたたましい音が聞こえる。
「グレン! 大丈夫だったかい!?」
「ああ、シモに任せておくんじゃ無かったよ。もっと他にも優秀なジオンがいたはず」
 
 両親らしき人たちに抱きしめられるが他人という気しかしない。当たり前か。

 遅れてシモが出てくると衣服は乱れて打たれた後があった。

「ちょっ、大丈夫?」

 虐待じゃんか。
「大丈夫……」
「シモに酷いことしないでください」
「何言ってるんだグレン……そうか、頭を打って記憶が……」
 母親は目元を抑えている。
 なんだこの両親。

「グレン、そこのシモはジオン族と云ってな、我々の世界に唐突にやってきた人間で奴隷なんだ」
「奴隷……」
「何か思い出したか?」

 奴隷なんてあるのかこの世界は。
「何も。それより、シモはこれ以上傷つけないで欲しいです」
「何を他人行儀な……シモはお前の監督責任を怠ったんだ、廃棄する。もっと優秀な奴隷を買ってくるから待ってなさい」

 母親とアイコンタクトした父親はその脚でどこかへ行ってしまった。

「さ、グレン。家に入りなさい、お腹が空いたでしょう」

 この体からするにグレンとシモと俺は同い年くらいか。
 リアルの俺ならこんなことはしないけどシモの手を取ってみる。
 柔らかい女の子の手を引くとシモは抵抗した。

「どうした?」
「私は廃棄された。もう私の家じゃ無い」

 シモは肩で息をしながら震える声で必死に感情を抑え込んでいるようだった。
 本当は泣きたいんだろう。俺だって突然廃棄とかそんな理不尽を受けたら泣く。
「そんなのいいから早くお入りなさい」
「よくない! ――ほら、行くぞ」

 こんなのただの親子喧嘩だと思えばいい。
 振り払われた俺の手はシモに明確に拒否されていた。
「グレン、不細工だし。せいせいした」
「え゛」

 目が点とはこのことだ。
 まだ顔を見ていないが、俺は不細工らしい。
 マジか、あの女神……。

「分かった、じゃあ好きにすればいい。けど、俺はお前を廃棄してないからな」
 これで俺がシモを捨てたことにはならないはずだ。
 俺が嫌いで何処か行くならそれはそれでいいしな……。

 家に戻ると窓の外にシモはまだ立っていた。
 可哀想に帰る場所なんかどこにもないに違いない。

「さあ、グレン。あなたの好きなハコ肉のステーキよ」
 箱肉? 正四面体ステーキってこと?

 出てきたのは緑色のステーキ
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