転生できないの?
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……」
最年少ロッククライマーもかくやの動きだ。
壁のような木の幹をすいすいと上っていく。
そいで何かメロンみたいなものをぼとぼとと落としてきた。
いや、ボーリングか? ずしんと地面に半球体をめり込ませるそれは当たれば即死を思わせる。
第一固すぎるだろう。
最後に少女がするすると降りてきて俺のところに戻ってきた。
「帰ろう」
帰るんだ。
ボーリング木の実を籠に入れるけど、思ったより重くない。
まあ、そんなボーリングみたいに重かったら籠が壊れるよね。
見たところこの籠、植物で編まれてるし。
「持てる? 大丈夫?」
「うん、全然大丈夫」
あ、ちょっと笑った。
「グレン、ちょっと変わったね。いつも嫌がってたのに」
「あー……」
そうか、俺は今松岡正太郎ですらないのか。
「私も半分持つね」
よろよろと籠を背負って歩き出す少女。
いいのかな、何か重そうだけど。
下手に喋ると俺に記憶がないことがバレそうだし始終無言で歩く。
ただ少女の背中を追うだけだ。
かれこれ1時間は歩いたかもしれない。
そう思っていると何やら人間の丸太みたいな脚が見えた。
『おおー、帰ったか!』
2m、3m、いやそれ以上あるか!?
直立したそいつは木の半分くらいの背丈があった。
人間、同じ人間かこれ?
「ワングおじさん、今日はグレンが木から落ちた」
『おお、そいつは大変だ。どれ、見せて見ろ』
ぐいっと顔が近づくと俺の体くらい大きい。
うへえ、キモい。
「どう?」
『ううん、よくわかんねえが前のグレンとは少し印象が違うな。お前と2人仲良く歩いてるところなんて初めて見たしな』
「グレンは私が嫌いだから……」
え、そうなの?
横目で盗み見られるが何か悪いことしたみたいで居心地悪い。
『まるでグレンじゃねえ見てえだ! まあ、細けえことはどうでもいいか! お前らもう帰れ。グレンはともかくシモが働けないのは困るしな』
帰る? まだ帰るのか?
「いこ、グレン」
□□□
何処に行くんだろう。
手を引かれてはいるが、正直そろそろバレると思う。
自分から言った方がいいだろう。
さっきから周りを見てるけど地球ですらない雰囲気だし。
「あの、さ……俺、頭を打ってから何にも思い出せないんだよね」
言った。言ってやったぞ!
「わかってる。グレンは私にそんなに優しくないから、だから心配」
「心配してくれるのか」
グレンとこのシモという子の関係はどういうものなんだろう。
もしかして、シモって子はグレンのことが好きだったのかな。
「着
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