転生できないの?
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それが不細工。
『すなわち、その造形はあなたが既に選んだものなのです』
「ええ、それじゃあ……俺は不細工のままってこと?」
『変更はできません。それを変更するときはあなたがその形で得られるであろう経験を得たときです』
なるほど、だから世の中には同じ顔の人間が3人いると謂われるのか。
「つまりまだその経験は得ていないと?」
『はい、その経験を得たときあなたは第9位界へ昇ります。地球という星での学びも終わります』
なんだか壮大な話だなあ。
「じゃあ美少女がいいです」
『あの、話を聞いていましたか……?』
「イケメンが駄目なら美少女でいいですよ、マジでモテなかったんで。女の子になれば少しは気が紛れそうですし」
『最近の美女野郎にも困りものですね……これでは精神的な性別が存在しない過酷が訪れてしまいます』
「出来るんですか?」
『出来ますよ、あなたが決めたのは男の容姿ですし、男の経験を得るという目的だけですから。ですが、それは認められません』
は?
『男でなければ得られないことをあなたは経験しなくてはならないのです。女になると経験の受け取り方が変わってしまうので』
「意味わかんないから早く美少女にしてください」
『魂の女体化が始まっているので手遅れになる前に仮の――』
視界が暗転した。
□□□
後頭部にずきんと痛みが走り俺は目を見開く。
「大丈夫? グレン」
見知らぬ女の子……青い空。高い木。
腕も脚も無かったはずなのに今の俺には見慣れない手足が着いている。
「お、おお?」
自分の手足に驚いていると女の子は綺麗な腕を伸ばして俺を支えてくれた。
「木から落ちたときはびっくりしたんだよ? どこか痛くない? 怪我は?」
よく見るとなかなか綺麗な子だ。
淡いブロンズの髪に栗色の瞳。
ちょっと気の弱そうな顔つきだけど、充分ストライクゾーンだ。
「いや、全然大丈夫」
「全然大丈夫? 変な言葉」
さらさらと流れるような声のトーン。年の割には凄く落ち着いた声色だ。
そして薄い肩には余るワンピースは時折俺の視界に少女の胸が……小っさ。
「なに?」
「ん、いや……こ、そうだ、ここどこ?」
「何言ってるの? ワングおじさんの農園だよ、本当に痛いところ無い? 無理してるよね?」
少女の名前も知らないし、ワングおじさんってなんだ? 農園……確かに樹木は沢山生えている。
でもこれ……高さ何十メートルあるわけ……?
見上げてからまた頭がずきんと痛む。
「今日は私が2人分働くから、そこで休んでて」
木の根元に座らされると少女が離れていく。
よく見たら裸足じゃん……。
「おお
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