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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十四話 和平の可能性
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です。三人の中では一番血筋が良い、おまけに男子です」
「しかし」
「彼には後ろ盾が無い、逆に言えば誰もが後ろ盾になれる。そういう事です」
「!」
トリューニヒト、レベロ、シトレが顔を見合わせた。そして今度は俺を見ている。なんか嫌な感じだな、俺は無視して水を飲んだ。今度はレベロが俺に問いかけてきた。
「しかしブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯を敵に回すだけの実力を持った貴族などいるのかね。両家とも親族が多く兵力も多い、そう簡単に敵に回せる相手ではないが」
シトレが頷きトリューニヒトは考え込んでいる。
「軍を味方に付ければ可能でしょう。誰が軍の実戦部隊を握っているか、それを利用しようとする人間が現れるか、それによって内乱の行方は変わります。ブラウンシュバイク公とリッテンハイム侯の争いで終わるのか、それとも軍も加わって帝国を二分、三分する大乱になるのか……。その中で選択肢が発生する可能性が有ると思います」
三人が考え込んでいる。選択肢について考えているのだろう。原作ではラインハルトが軍の実戦部隊を握った。リヒテンラーデ侯がラインハルトと手を組みブラウンシュバイク、リッテンハイム連合を破った。そしてその後、ラインハルトによってリヒテンラーデ侯が粛清された。
この世界ではどうなるのか……。先ず皇帝がいつ死ぬかだな、原作通りなら来年の十月だ。問題はそれまでにラインハルトが軍を掌握できるかだが、ちょっと難しいだろう。ヴァンフリートの敗戦が効いている、あそこで足踏みしたことは大きい。
となるとリヒテンラーデ侯は誰と組む? 場合によっては最初から皇位継承争いから降りる可能性もあるな。ブラウンシュバイク、リッテンハイムの一騎打ちか。勝った方にラインハルトを粛清させる……。ブラウンシュバイク公が勝てばフレーゲル辺りを焚きつけるか。場合によってはアンネローゼがフリードリヒ四世を殺したという噂を流すのも良いだろう。
帝国の分割統治という方法はないかな、なんならエルウィン・ヨーゼフを入れて三分割でもいい。イゼルローン方面を抑えた勢力と和を結ぶ。帝国の分裂状態を固定化できればそれだけで自由惑星同盟は平和を享受できる……。
先走るな、自分に都合のいいことばかり考えるんじゃない。ラインハルトに代わる人物が出るかもしれないし、或いはラインハルトが誰かを担いで帝国の覇権を握ろうとするかもしれない。そうであれば必ずしも軍を掌握している必要は無い……。
分からんな、いくつかの選択肢が見えて来るんだろうが今の時点では分からない。ただ分かっている事は皇帝が早く死んだ方がベターだという事だ。遅くなればラインハルトの地位が上がる。場合によっては軍を掌握している可能性もある。その場合は原作とほとんど変わらない流れになるだろう。一番避けたいケース
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