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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第578話】
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ほら、俺この毛色で度々問題になってただろ?」


 IS学園では問題にならないが、小学校や中学校は度々問題になっていた。

 黒染めで染められかけた事もあったが、一応解決してきた。


「まあ、日本の学校は厳しいからね? ……ふふっ、何だか懐かしいな。 小学校なんて四年前まで通ってたのにね?」


 懐かしむ未来――小学校は確かに楽しかったな。

 とはいえ、やはり女尊男卑になってからは力関係が変わったが。

 正直、ISが発表されて直ぐに男女の力の差が逆転したのには違和感しかない。

 でも、今はそれが罷り通る世界だ――。


「……ヒルト? 難しい顔してるけど……」

「あ、あぁ。 ちょっとな」

「……ふふっ」


 柔らかな笑みを浮かべ、未来は俺の頭を撫で続けた。


「……もう午後の部が始まるな」

「そっか。 ……うぅ、確か最初の一発目がコスプレなんだよね?」

「そうだな、そう聞いてるよ」

「はぁ……コスプレとか憂鬱だよ……」


 未来自身、コスプレが嫌なわけではないが、それが人目に晒されるのが嫌なようだ。


「代表者がコスプレだもん。 ……うぅ、やっぱり私になりそう……」

「ははっ、嫌ならセラ辺りに頼んでみるか?」

「……ううん、それは流石に……ね?」


 人にさせるなら自分がというのが未来らしい。


「じゃあやるしかないな」

「うぅ……。 せ、せめてまともな服なら良いんだけど……」


 期待は薄いかも……そう小さく溢した未来、しかしコスプレ何て誰が考えたのやら。

 毎年してるにしても、需要があるのかが分かりにくい――理由を挙げるとここが今年、俺や一夏が来るまで用務員さんしか男が居ないからだ。

 まあ、可愛い格好が好きな子はいるからそういうのが目当てって事もなきにしもあらずって感じかもしれない。

 二人で話をしてると、終わりの時間がやって来た。


「そろそろ昼休みも終わりだな」

「うぅ……。 憂鬱だよ……」

「いくら憂鬱になっても、コスプレからは逃れられないさ」

「むぅ……。 ヒルトは他人事だから良いんだよ。 ヒルトもコスプレすれば良いんだよ、着ぐるみ着るとか」


 少し不貞腐れてるのか未来はそう言う――身体を起こし、俺は不貞腐れていた未来の唇を塞いだ。


「んっ……!?」


 いきなりの事に身体を硬直させた未来、何度か軽く口付けを交わすと――。


「ほら、これで元気が出ただろ?」

「うぅ……ば、バカ! 不意討ちなんて、誰が見てるかわからないんだよ!? て、ていうか、私が元気になるよりもヒルトの方が元気になるじゃん!」


 
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