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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第577話】
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い。

 俺はシャルに視線を移した。

 それに気付いたシャルは後ろに隠していたバスケットを用意した。


「僕が用意したのはこれだよ?」


 バスケットを開くと、中には彩り鮮やかなフルーツが姿を現した。

 しかも大半が動物を模していた。


「へぇ、ウサギりんごか」

「うん。 オレンジねこさんやキウイくまさんも居るんだよ。 それからね、ブルーベリーパイいぬさん」


 そう言って動物を模したフルーツを出すシャル。

 せっかくだからこいつらに名前をつけて心の中で呼ぼう。

 ウサギりんごにはレイニー、オレンジねこにはにゃん次郎、キウイくまにはクマ太郎、ブルーベリーパイいぬにはいぬきちだ。

 勝手に命名する俺を他所に、シャルは水筒のコップにお茶を注いでいた。


「じゃあヒルト、お茶だよ」

「ありがとう、シャル」


 お茶を受け取り一口飲む、一方のラウラはウサギりんごのレイニーに視線が移っていた。


「こ、これを食べるのは……私には無理だっ」


 手にとったレイニーを見ながら呟く、俺はとりあえずお茶を飲み干すと――。


「シャル、このお茶は何だ? 成樹ならわかりそうだが……」

「あっ、僕のオリジナルブレンドだよ? 味、気に入らなかったかな……?」

「ううん、飲みやすかったぞ?」

「えへへ、なら良かったよ」


 パアッと満面の華を咲かせたシャル、一方ラウラは俺とシャルのやり取りを見て拗ねていた。


「ふん……どうせ私は……レーションしか用意できない……」


 珍しく拗ねてるラウラに、俺はラウラの手のひらに乗っていたレイニーを取り――。


「拗ねちゃ駄目ウサ。 ラウラはいつも通りの方がいいウサよ」


 目が点になる二人――とりあえず、動物の代弁者として声真似は続ける。


「そうニャッ! 拗ねてる暇があるなら僕を食べるニャッ!」

「そうクマよ。 拗ねてヒルトをクマらせたらダメクマ」

「美味しい美味しい僕達を食べて元気になるわんっ」


 各フルーツを持ち、一人芝居をする俺に面を食らう一同。

 簪の事を悪く言えないな。


「……ぷっ! くふふ……!」

「……っ! あははっ♪ ヒルト、急にどうしたのっ♪」


 瞳に涙を浮かべて笑う二人、俺の一人芝居が面白かったのだろうか。


「ん? ラウラが拗ねてたからな。 てかそんなに可笑しかったか?」

「だ、だって……急に『ウサ』とか『ニャッ』とか、動物さんの言葉を使うんだもん♪」

「く、ふふふっ! す、すまないヒルト。 あんなヒルトを見るのは初めてだったからな――ぷはっ!」


 堪えきれず
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