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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十三話 帝国領侵攻
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けてくる。軍だけじゃない、貴族も軍を率いて攻めてくる。多分こちらの方が激しく攻めてくるだろう。

同盟軍は防衛に追われまくることになる。レベロが原作で言っていた財政事情が許す範囲での制限戦争なんてもんは無くなる。後先考えない全面戦争だ、そいつが何をもたらすか……。

辺境を守るためにどの程度の戦力が必要か……。辺境には少なくとも三個艦隊は必要になるだろう。さらに治安維持、防衛のための陸戦隊の配備。そしてイゼルローン要塞と辺境を往復する輸送船、護衛艦の配備。さらにイゼルローン要塞にも駐留艦隊以外に最低でも一個艦隊、いや二個艦隊は置かなければならないはずだ。

戦闘が激化するとなればイゼルローン要塞の傍に補給基地の建設、まあこれはヴァンフリートが有るとしても他に損害を受けた艦船の修理をするドックや負傷した兵を収容する病院もいるだろう。戦争する以上損害は生じる。問題はどれだけ早く損害を回復できるかだ。そうでなければ効率的に戦争できない。

膨大な費用が発生する。軍事費は増加する一方だろう。さらに辺境への開発投資費用も考えなければならない。帝国と同盟は違う、同盟は平民を搾取するようなことはしない、それを証明するために辺境に資金を投入し続けなければならない。後々帝国中心部への侵攻時に後方基地として使うためにも開発は必要だ。打倒帝国を叫ぶ以上どうしてもそうなる。

金が出ていく一方で戦争は激化し終焉は見えない。同盟市民は重税と戦争に喘ぐだろう。そしてどこかで辺境領の放棄と言う意見が出る。その中で帝国との和平を唱える者も出るだろう。そして国内は分裂するに違いない、撤退を支持するものと拒否するものに……。

撤退を選択すればイゼルローン要塞を拠点としての防衛戦が同盟の国防方針になる。戦争は多少沈静化するだろうがそれは帝国の辺境を見捨てた代償だ、後ろめたい代償で喜べるものではない。なにより同盟市民は打倒帝国という国是を捨てたのだ、国家の存在意義を問い直すことになるだろう。

長い混乱が発生するに違いない。その中で再度の帝国領侵攻も実行されるかもしれない。国家方針が定まらず混乱する国家ほど国力をロスするものは無い。戦争で弱体化した国力が回復するには時間がかかるだろう。回復できればだが……。

それに戦争は沈静化はしてもなくなるわけではない。なにより帝国は同盟の危険性を再認識したはずだ。イゼルローン要塞の奪回を執拗に繰り返すだろう。戦争は続くのだ。

そして帝国の辺境星域では住民達が同盟に対して、民主共和政に対して強い不信、不満を持つだろう。同盟が再度辺境星域に侵攻しても今度は以前ほど住民の協力は得られないはずだ。撤退を受け入れれば戦争の沈静化と混乱が、拒否すれば果てしない戦争の激化と重税……。退くも地獄なら進むも地獄だ。

俺が話し終わっ
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