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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十九話 艦隊再編成、そして、次の章の幕開けです。
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ことを居並ぶ人間たちは理解していた。第十六艦隊、第十三艦隊、そして第十七艦隊のここに出席している人間のうち半数は負傷をおしてここにやってきている。ヤン・ウェンリーはというと彼は負傷していなかったが、その表情は硬い。こんな時に固くならない方が不思議よね、とカロリーネ皇女殿下は思った。第十六艦隊のティファニー・アーセルノ中将は傷一つ負っていないが、その表情を見たカロリーネ皇女殿下は不思議な気持ちになった。中将は何かに耐えるように歯を食いしばって席についている。長いテーブルに両の拳がまるで張り付けられているかのように置かれ、小刻みに震えていた。
会議が散開した後、第十三艦隊の艦隊幹部は言い知れぬ無気力の鎧をまとって、帰途についた。誰一人として口をきく者もなく、誰一人声をあげる者もいない。
開戦前、第十三艦隊13500隻余、兵員170万人を数えていたが、今や残存艦艇は損傷した艦艇を含めても8000隻を切り、負傷した兵員をいれても100万人を下回っている。およそ5000隻の艦艇を失い、70万人が戦場に散った。今後この損失は増えることはあっても減ることはない。
麾下の諸戦隊を率いる司令たちの戦死も相次いでいた。特に、副司令官のトーマス・ビューフォート少将までもが戦死していたことは誰もがショックだった。副司令官として若年のウィトゲンシュティン中将を補佐して艦隊を良くまとめ上げていたのであるから。
「閣下も思い知ったでしょう。」
不意に静まり返ったシャトルに強い声が満ちた。一同が振り返ると、クレアーナ・ウェルクレネード准将の声だった。彼女とカレン・シンクレア准将はあの激戦の中でかろうじて生き残っていたのだ。
「無謀な突出をしなければこんなことにはならなかった。何が御家の為ですか、何が家長として守り抜くですか、結局あなたは自分自身の家の事しか考えていなかった。」
いったん口を開くと、後はもう止まらなかった。怒涛のような非難が彼女の口からほとばしった。
「やめなさい!やめて!やめてと言っているでしょう!」
カレン・シンクレア准将が悲鳴のような声を上げてウェルクレネード准将の腕をつかんだが、あっさりと振り払われた。他の人間も口々にやめるように言ったが、彼女の勢いは止まらない。低いが刺すような声でウェルクレネード准将はウィトゲンシュティン中将を糾弾し続けたのである。
ウィトゲンシュティン中将の方はというと、蒼白さを増しながら、一言も言葉を返すことはなかった。ただ、その眼はウェルクレネード准将からそらされることはなかったのである。
カロリーネ皇女殿下は総身が震えるのを抑えられなかった。敗戦のショックで動揺しきっているところにこの争いである。心臓に杭を打ち込まれたような衝撃が来ていたが、次第にそれは怒りに変わっていった。
「あなたは司令官失格です
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