第四章 RE:BIRTH
偽翼
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そう言うと、蒔風の体がグラリとしながらも立ち上がり、蒔風に向かって腕を伸ばして突っ込んできた。
「しつこい」
そしてそれにアリスは手に剣を一本出し、振り向くと同時に肩から股間にかけてバッサリと蒔風を切り捨てた。
ブシャァッ!と血が噴き出して、蒔風の体が荒野に沈む。
「舜!!!」
「・・・・・は?」
セイバーが倒れた蒔風に駈け寄り、ほかのみんなもそうする中、アリスが一人気の抜けた声を出した。
「ど、どうしたんですか?」
「どうしたって・・・・舜が!!」
「ええ、だから助けに行くのでしょう?」
「え?」
「え?」
「あれ?何かかみ合ってない?」
何やらおかしい。
アリスとセイバーたちの会話が成り立たない。
ティアナがおずおずとアリスに聞く。
「あのー・・・舜さんを助けに来たんですよね?」
「ええ」
「着きましたよね?」
「ええ」
「(蒔風を指さして)出てきましたよね?」
「ええ」
「あれ、舜さんですよね?」
「いいえ?」
「あれ?」
ここでかみ合わなくなる。
あれは蒔風ではないというのか。
「動きも、見た目も、確かに蒔風です。さらに言うなら「死の恐怖」も取り払われています」
でも、あれは蒔風舜ではない、らしい。
「死亡直後の死体に生前の電気信号などのデータを送ることで気配から何までそのままに人形とする技術を彼らは持っていたでしょう。それを蒔風でやっただけです」
アリス曰く、彼らは結局うまくは行かなかったものの、蒔風から得た膨大なデータを送りつけ、「この蒔風」を作ったようだ。
致死量ギリギリ、というのはこの男に対するモノだ。
「つまり士さんはそれに気づいていたからあれだけ本気だったんですね!!」
「あ・・・・・あぁ!あぁそうだ。だいたい全部わかってたさ」
「つまり、俺たちは謀られたのか」
「おそらく、あの中にまだ蒔風はいます。こうしている間にも、多くのデータや力を吸われて・・・・」
ダン!!ザザザザザザザザッッッ!!!
と、そこでアリスの言葉を遮るようにして城壁の上から何かが飛び出してきて彼等を取り囲んだ。
その数は十三。どうやら彼らはこの数が好きらしい。
そしてその顔は、全てさっきまで戦っていた相手と同じものだ。
「こいつらは・・・・」
「なんてことを」
周囲に現れた、十三体の蒔風。
十五天帝はさすがに全部ではなく、そのうちのいくつかを各人がもっていた。
風林火山を持つのが四体、天地陰陽が二体、獅子天
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