第四章 RE:BIRTH
偽翼
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と後ろから足音が聞こえてきてた。
右に入ろうとすると、そっちからも足音が。
真正面なんて進んだら後ろから見つかってしまう。
結論として、唯子は
「・・・・思い通りになるのはシャクだわ」
そういって、容赦なく右に向かって突っ走って行った。
数秒後、その通路の先から研究員の物らしい悲鳴と鈍い音、そして地面に倒れる音が聞こえてきた。
彼女は一番無事だった。
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「ハァッっ!!!」
ドッ・・・・・・ゴン!!
蒔風の胸に、アリスの拳がめり込んで吹き飛ぶ。
蒔風も受け身を取ってその衝撃を逃がすものの、見るからにボロボロになっていっていた。
アリスに選手交代してから、蒔風への攻撃は怒涛そのものだった。
攻撃はすべて受け流すか防がれ、確実な一撃が確実にダメージを与えて行っていた。
蒔風の蹴りをアリスが掌で流し、拳を避け、後ろ廻し蹴りを掴み取る。
そして地面にビタンビタンと叩きつけまくり、最期に円を描くように地面を引きずって投げ飛ばした。
攻撃されることに対して、蒔風は最善の対策をとっていた。
叩きつけられれば頭を抱え、投げ飛ばされたら衝撃を流して受け身を取る。
だとは言っても、やはり攻撃のダメージは耐えられるものではなく、明らかに致命傷の傷をすでに四つほど抱えていた。
「頭蓋骨陥没、気管破損、内臓損傷、動脈失血・・・・・・まったく、どれだけのことをすればそれだけ動けるのでしょうね」
半ば呆れたようにアリスが呟き、向かってくる蒔風を見つめた。
腕を肘から振り、力を溜めて蒔風が拳を全力で握りしめる。
そうして蒔風が放った打滅星を、アリスが拳とすれ違うようにして躱し、上腕を首の下に引っ掻けて地面に叩きつけた。
バンッ!!という音がして蒔風の身体が跳ね、地面から浮いたところにアリスのラッシュが叩き込まれる。
右ストレート、左ブロー、右蹴り上げ、右後ろ蹴り
後ろ蹴りでまた少し浮かせた身体に左アッパー、左蹴り上げ、頭を掴んで右ひざ蹴り、一回転して左エルボー
そして止めに両手の連続突きを十発叩き込んでから、一回転して十分な腰の捻りを練り込んだ後ろ高回し蹴りが側頭部に命中して吹き飛ばした。
「ア、アリスさん、舜さんは大丈夫なんですか!?」
一通り終わらせたアリスに、ティアナが駆け寄って聞く。
あれで蒔風は大丈夫なのか、と。
それに対し、アリスがニッコリと笑って答えた。
「ええ、大丈夫ですよ」
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