第四章 RE:BIRTH
VS銀白 再び
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よ。彼らは無駄ではなかった」
「なにを・・・!!!」
「それに、あの街が壊滅しなかったらあなたたちは我々の影すら知らなかった。結果的に見れば――――」
「そんなこと聞いてんじゃないのよ!!!」
男の言葉に唯子が激昂し、アリスの抑制を振りほどいて飛びかかって行った。
しかし男がパチンと指を鳴らすと、足元からワイヤーが伸びて唯子の足に絡まって
「え?」
グーン、と高くまで持ち上げて
「ちょっとちょっと!?うわぁぁああああああ!!!!?」
ポーンと城壁の中に放り込んでしまった。
「彼女はあの実験に耐えきった検体でしたからね。約束を果たした今、じっくり調べさせていただきましょう」
男は淡々と言うが、アリスをはじめとした「EARTH」のメンバーが顔に手を当ててハァ・・・とため息をついていた。
「誰だあれ連れてきたの・・・」
「バーサー・・・いや、イリヤだ」
「勝手に引っ張ってったのよ!!」
「何人か助けに・・・・」
「いや、それは大丈夫だろう」
アーチャーの言葉に、走りだそうとする何人かが足を止めた。
「綺堂は自覚してないだけで緊急回避や戦闘力はかなりものもだ。よほどじゃなければ大丈夫だろう」
しかし、その言葉に理樹が「そうは言っても」と不安そうな顔をした。
だが、アーチャーが言葉を続ける。
「それに、すでに増援は行っている」
「そちらで話を進めるのはいいですけどね。そろそろお引き取りいただけませんか」
勝手に話を進める彼らに、男が淡々と言い述べる。
だが、そう言われて帰る彼らではない。
むしろ今から突入するという勢いだ。
その、まるで目に見えるという錯覚を感じるほどの意志を見て、やれやれと男が頭を振る。
「まったく・・・こっちは一晩中実験していて疲れているというのに」
「実・・・験・・・?」
男の言葉に、理樹が聞き返す。
「ええ。実験です。自称・世界最強というほどの翼人が手に入ったのですから、それはするでしょう」
「自称じゃない。事実だ」
「そこはまあどうでもいいのですが。ですがねぇ・・・彼、洗脳とか幻術全然効かないんですよ」
それを聞き、そりゃそうだと一同が思う。
あの男がそう簡単に染まるはずがない。
「つまり、うまくいかなかったってことだろ?」
「ええ、まったくうまくいかなかったですよ」
そう言って、再び男が指を鳴らす。
大きな門が、メインの門が、開かれていく。
ゆっくり、ゆっくりと、門が動く。
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