第四章 RE:BIRTH
四面楚歌
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いたが、ここで勝てるなら文句はない。
そして、青年が動いた。
ダンッッ!!!
思い切り地面を蹴り、一気に蒔風へと突っ込んで来る青年。
それを蒔風がバックステップして間合いを整え、その顔面に剣を振るう。
しかし、青年は片手で「風林」の刃を抓み止め、剣を振るう。
蒔風はその剣を玄武盾で受け、「風林」を分離させて「風」を捨て、「林」で再び切りつける。
だがその刃が到達するよりも早く青年の蹴りが、後退させようと蒔風の腹に入る。
「フンッ!!」
「!?」
しかし、その攻撃で蒔風が下がることはなく、仕方なしに青年が地面に伏せて刃を回避する。
そして青年が蒔風に足払いし、一回転。
その勢いで、居合でもするかのように剣を構えた。
(ここから刃か!!えげつないが・・・)
グッ!!
(耐えられなかない!!!)
その攻撃を予測して蒔風が玄武盾に力を込める。
だが、迫った攻撃は全く違う物だった。
ヴゥン・・・・
「!?」
剣の刀身に、淡い光が灯った。それはエネルギーではない。
否、エネルギーではあるものの、青年の持つものではない。
そう、まるで「歪み」そのものであるかのような、強力な―――――――
(渡航の力を歪みに変えて!?これは―――――!!!!)
「槍薙巳」
青年が短く、そう呟いた。
直後、振るわれた剣が世界の歪みの尾を引いて、蒔風の身体を飲みこんだ。
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「が・・・・は・・・・・世界を捩じって・・・・歪みを飛ばす・・・だと?・・・・・ぅ」
蒔風が地面に倒れ、そう呟きながら意識を失う。
その攻撃は読み通り「津波」そのもので、懐という至近距離から喰らった蒔風は、いとも簡単に吹き飛んで地面に大きな跡を作った。
その体を抱え、青年が施設の中に戻る。
「まさかこの技まで引き出させるとは・・・・翼人とは本当に恐ろしい」
「だからこうしてそれに対応できる兵器を作ってんだろ?」
「ええ。兵器とは片方あるだけではだめですから。それの抑止力があって、初めて利用価値が生まれます」
そう言いながら、蒔風を再び中に連れ込む。
黒く、重く、高い扉が、再び固く、閉じられた。
そしてその中で、再び―――――――――
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