第四章 RE:BIRTH
綺堂唯子
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たのか、唯子は五秒ほどそこで大の字になり、そしてその口がすぐに動いた。
「鉄・・・・翼刀・・・・」
「この人の名前ね?・・・そして・・・・」
「私の言っていた・・・男の子です・・・!!!」
目に涙をためながら彼女がそう言って、ついに嗚咽を漏らして泣き始めてしまった。
それは、彼がまだ生きていたことに対する喜びか、それとも救いだせなかった悔しさか。
「ティアナさん」
「呼び捨てでいいわよ」
「ティアナ、私を・・・強くして」
「・・・・・・・え?」
そう言って、唯子がティアナに土下座する。
ベッドの上だが、その誠意は確かなものだった。
そしてそこから顔を上げ、イエスと言わなければ殺すとでもいいそうな目つきで、心の底から懇願してきた。
「お願いします。私を・・・・もっと強くしてちょうだい!!」
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ガキン!!
ザッ・・・・・タタタタタタタタ・・・・・
(どうにか・・・外には出れた・・・・だがどうする・・・・通信手段はない・・・・・こんなカンカン照りじゃあ、一発で見つかる・・・・)
ゴゥン!!!ヴィーーーー!!!!ヴィーーーーー!!!!
(見つかった!?いや・・・・逃げたのがばれたかクソッタレ!!!)
蒔風が、荒野と砂漠を足して二で割ったような世界を見渡す。
服は簡素なもので、まるで入院患者のような風体だ。
しかも、この日照りの中を裸足である。
施設は刑務所のような形であり、高い塀はあったがそこはとりあえず突破していた。
今はその塀の陰に隠れる形で張り付いている。
少しして、塀の扉が開き、そこから数台のジープと兵が飛び出してきた。
その兵の一人(やはり死人兵士だった)を捕まえ、服を奪って隊に混じる。
(この施設はやばい・・・・こいつらは、「あれ」の対となる、対抗しうる兵器を作ろうとしている。このまま「あれ」を開放させられたら・・・・!!!)
蒔風、脱出。
しかし、本番はこれからである。
to be continued
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