第四章 RE:BIRTH
見誤る戦力
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・・・そんな!!!」
ティアナとルネッサが蒔風の体を抱えて声をかける。
揺するだけで、命が尽きてしまいそうな風体だ。
むしろ生きていられるのは翼人の力が微弱でも効いているからか。
ティアナとルネッサも、大なり小なり怪我をしている。
いくら砂が跳ね上がったと言っても刃を完全に止められるものではない。
いくつかはガードしたが、やはり何箇所には刺さり、数十か所を斬られている。
『ふむ、彼女らのデータを少し向上させておこうか・・・・さあ、連れてきなさい』
それを眺める青年の首輪からそんな声が聞こえ、蒔風たちへと足を進める。
ティアナやルネッサがそれを阻もうとするが弾丸は弾かれ、首を掴まれて投げ飛ばされる。
そして身体が赤く染まることも気にせず、蒔風の体を肩に担ぐ青年。
「連れて・・・・いかせないわ」
その背後に銃口を向け、ティアナがヨロリと立ち上がる。
そのティアナに青年は答えない。
しかし、代わりに首輪が応えてきた。
『困りましたね。我々は「EARTH」と事を起こす気はないんですよ。研究する上で必要なだけでなんですけど』
「そうやってその人を連れていくなら、見逃さないって言ってんのよ・・・・!!」
淡々という男の声に、ティアナが凄みを聞かせて唸る。
だが、相手の態度は変わらない。
『我々は「ある兵器」に対抗するモノを作ろうとしているだけです』
「ある兵器・・・?」
『ええ、兵器とは対になって初めて価値があります。毒と薬のように、対応するモノがあればこそ、両国に売れるのですから。それを作る過程での戦いという実験。そして検体を集めているんです。彼はちょうどいい』
「させないって・・・・言ってんのよ・・・・!!」
左肩が上がらず、右手だけでクロスミラージュを一丁握り、青年に狙いを合わせるティアナ。
しかし、手が震えてうまく狙えない。
もうそんな体力もないのか。
『どうやら手足の腱が切れかかっているようで。運が悪かったですね。まあ、すぐに治療すればきれいに治りそうですよ』
「このッッ!!!!」
それを聞き、ティアナが周囲に魔力弾を展開する。
それに対して青年が剣を握り、ティアナに振り下ろそうとするが
ガシッッ!!
その腕を、青年の肩の蒔風が掴んだ。
一瞬だけ青年の腕が止まったが、すぐにその腕から力が抜けてダラリと下がる。
『・・・・・もういいでしょう。翼人をそれ以上ここに置いておいては誰の感情で復活するかわかりませんからね』
男の声に青年が頷き、ティアナからそこら辺の空間に
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