第四章 RE:BIRTH
外道技術
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れた翼が斜め上に向かって広がり、内側にギシギシと湾曲している。
男の正面はすべて逆光の陰で黒く染まってよく見えない。
ただそんな中で、見開かれた眼光と、怒りに哂う口元だ下が、はっきりと見える。
「どうした・・・・もっとしゃべれよ・・・・」
ジャリ
「う、うぁ・・・・」
ザ、ジャリ
「あれだけ得意げだったじゃないか。あの子をどうするかとか、街を何かするとか。面白いからもっと聞かせてくれよ」
蒔風が一歩歩むごとに、男の表情が恐怖に歪んでいく。
男は今、「死」という物を目の当たりにしていた。
「わかるか?それが「死」だ。なに、わからなくても気にするな。これは軽い予習だから」
「な、なん・・・・」
「今から、お前が体験することだよ。じゃあな」
そして、蒔風が腕を振り上げ刀を振りおろし・・・・・
「そこまでだ、兄貴」
その腕をキックホッパーが止めていた。
「矢車さん」
「それ以上はいいだろう。この男に地獄なんぞもったいない」
「・・・・・・ああ」
そういって、蒔風が腕を静かにおろし、キックホッパーが腕を放す。
「悪い・・・」
「気にすんな」
そう短くやり取りし、翼をしまって男を視界から外す蒔風。
それをみて男が気でも抜けたのか、一気にべらべらしゃべりだそうとしてきた。
「はは・・・結局やらないの。あんだけ怒ってたのに、あっさり下がるの!つまりあんたにとってその程度だったとッッ!!!」
が、その言葉が途中で詰まって止まる。
理由は、殺気。
蒔風の物ではなく、矢車によるものだ。
背中を向けるキックホッパーが、首だけ回して男に問いかけた。
「今・・・・兄貴を笑ったか?」
「ぃ・・・・」
「笑ったよなぁ・・・だったらよ・・・・俺のことも」
「う・・・」
「一緒に笑ってモラオウカ?あ?」
「ぁ・・・・あ・・・・」
キックホッパーのマスクが凄まじい殺気を発し、男がついに放心する。
その場に膝をつき、ぺたりとしゃがみこんでしまった。
「見苦しいとこ見せた。すまん」
「い、いえ・・・・」
エリオやキャロにそう声をかけ、蒔風が疲れたように顔に手を当てた。
ジーク、矢車、影山も変身を解き、大丈夫かと蒔風を案じた。
あれだけの殺意を飲みこんで、そして何もしないというのはかなり堪えるはずだ。
心に重くのしかからなければいいが・・・・
と、そこで地面に落ちた男のコンソールがカタカタと動き出した。
「!」
それに反応した時には、すでにコンソールは機能を発揮していた
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