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世界をめぐる、銀白の翼
第四章 RE:BIRTH
街・捕縛
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青龍の言葉を聞きながら、手首をグニグニと揉み、準備体操のようなものをしてから檻をこじ開ける蒔風。
が、その返答はしない。というかできない。



「わからないな。翼人の存在自体はもうかなりの人間に知られているが、その実態を知っているのは限られている」


そう、知っているだけではだめだ。
識っている必要があるのだ。

翼人の力を理解していなければ、こんな封じ込めるようなモノなど作れるはずがない。



「とにかく、今はほかの奴らと合流しないとな」



そういって、蒔風が机の上のレポートを見る。
そういえば注射されていたな、と思い出すが、その効力を見て鼻で笑う。


なんとなくいやな感じはしていたが、なるほど、そうか。


「死の恐怖、ね。そんなもんじゃ、俺は死なんよ」


バサァッ!とそのレポートを投げ捨て、その場を後にする蒔風。


「ま、そこで死ねた方がまともだったんだろうがな」





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ゴン!ゴン!!ゴンッ!!バァン!!!




幾度か扉を殴り、ようやっとして地上に出る蒔風。


どうやら街の端の方にある家の地下にいたようだ。



その屋根の上に立ち、周囲を見渡す蒔風。

普通に夜の街だ。
しかし、明かりが一つもついていないのはどういうことだろうか?



ヴゥン!!!



「!?」


と、その瞬間に蒔風の背後の方で何かが起動した音がした。


振り返ると、街の周囲を囲うポールの間を、何やらエネルギーのような幕が覆っていっている。

それは一番上をつなぐリングから出てきていて、上にまで張られており、街全体をすっぽりと覆ってしまったのだ。


その直後、蒔風の身体から少しばかり力が抜ける。
少し不愉快な顔をする蒔風だが、今はなんとなくわかった。


「翼人封じの結界版か・・・・効力は薄いようだが・・・・」


蒔風が身体を確認する。

獄炎などの能力はうまく出せそうにない。
開翼はできない。飛行も不可。
肉弾戦や剣を振るうということには問題はなさそうだが、威力は落ちている。



「・・・なんてハンディだよ・・・ったく・・・・」



そうぼやき、平坦な屋根の上を飛び越えて行って行く蒔風。


机の上に会った用紙に、地図もあった。
捕えられている場所は解ってる。




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