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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第89話:職業選択の自由アハハ〜ン?
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らウルフ宰相閣下への態度について指摘を受けた。
マオ先輩の件で勘違いをしてたし、確かに端から見て良くない態度で対応してたわ。
「うん。今日から……いや今からウルフへの態度を改めてよね。君より年上で地位も上、そして何より君の弱みを握ってるんだからさ(笑)」
「は、はい! 現時刻よりウルフ宰相閣下へは最大級の敬意をはらって接したいと思います……弱みを握られてるので(笑)」
「よかった。じゃぁさぁ……ちょっと話が変わるけど、頼まれて欲しいことがあるんだ」
「は……私にですか?」
私の答えを聞いた陛下は満面の笑みで新たな話題を提示してきた。
「実は娘の事なんだけど……」
「姫様? リュリュ様のことですか?」
「いや……リュリュは取り敢えず大丈夫。別の娘の方」
「……マ、マリー様の方でしょうか?」
「う〜ん……マリー様の方なんだよねぇ〜」
マリー様とは私がメイドになった時から面識がある。
ただ当時は彼女が姫様だとは知らずに接してたので、凄くフランクな間柄だった。
色々陛下なりに思いがおありでマリー様・リューノ様・リューラ様……それとリューナ様も身分を秘匿して生活させてた訳ですが、上級メイドになって事実を知らされた時は本当に驚いたわ。世界中で一番姫様らしくない娘が、グランバニアのお姫様なんですもの!
「姫様が如何したのでしょうか?」
「う〜ん……今回のウルフの陰謀の所為で、マリーとリューノから王位継承権を剥奪したじゃん。だから義務教育を終了したら働かないとダメだよって言ったんだよね。そしたら働きたくねーって言い出して……」
「はぁ、マリー様だけが……ですね?」
「うん。リューノは元々王位継承権を当てにしてなかったから、城下にある喫茶店に就職できるように自ら話を進めてたらしいんだけど……」
「はぁ、マリー様の方は何も考えてなかった……と?」
「うん。何も考えてないだけなら良いんだけど、働きたくないとか言うし……だから思わずキツめの口調で叱ったら、『じゃぁ城のメイドになる! 雇ってよ!』って言うし……」
「いやダメですよ! マリー様にメイドはさせられませんよ! 地位が如何とか、生まれが如何とかじゃなくて、あの部屋を見たことありますか!? あんな暗黒空間を形成できる人物をメイドになんて出来ませんよ!」
「解ってるよぉ〜……僕だってアイツをメイドには出来ないって旨を伝えたよぉ〜……でもさぁ『如何してお父さんは私を排除しようとするの!?』って泣いちゃってさぁ……これ以上言えなかったんだよぉ……」
「はぁ……陛下って本当に娘に甘いのですね」
「ウルフにも言われた」
アイツも言いたいことを言うなぁ……
「では頼み事というのは、私がマリー様に『お前にメイドは無理』と伝えることですね?」
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