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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第570話】
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だろうし。


「楯無さん、どうぞ。 んで俺はハンカチ――あれ?」


 楯無さんを座らせて俺もハンカチを敷こうとジャージのポケットを探るが、どうやら肝心のハンカチを忘れてしまった様だ。


「む。 ……君、私ので良ければ使ってくれないか?」

「え?」


 そう言ってエレンがハンカチを手渡してきた。

 簡素な物だが、大事に使われてる様にも見える。


「エレン、良いのか?」

「ああ。 死んだ母の形見だが、君に芝生の上に座らせるわけにはいかないさ」


 さらっと形見の品だとか言うエレンに、俺は――。


「ば、バカ! そんな大事な物、俺の尻に敷かせる訳にはいかないだろ!」

「む? バカとは何だ――いや、それよりも……やはり君をそのまま座らせるわけにはいかない」


 一瞬表情を変えたエレンだが、俺がハンカチを受け取らないとわかると困ったように頭を傾げた。

 ――と、楯無さんが扇子を取り出すと口を開いた。


「このままじゃ埒があかないし、こうしましょう。 ヒルトくんが座れないなら、各自持ち時間を設け、ヒルトくんと二人で昼食をとるのはどうかしら?」


 何故いきなりそうなるのか、頭が痛いものの反対する者はいない所か賛成する者が多数居た。


「名案ですわね、一時とはいえ、こうしてヒルトさんと二人っきりで食事を食べられる機会は少ないですもの♪」


 手を合わせ、嬉しそうにそう喋るセシリア――というか、人数が人数故に俺が大変なんだが。

 そんな俺の考えを他所に、目の前の女の子達は誰が先に一番をとるかじゃんけんを始めた。

 その光景に満足そうに頷く楯無さん、だが何処からか携帯を取り出すとその画面を見て、軽くため息吐きつつシートから立ち上がった。


「楯無さん、どうしました?」

「え? えぇ、少し別件の用事が出来たの。 私と一緒に食べたい気持ちはわかるけど。 ヒルトくん、またの機会にね」


 そう言って楯無さんは携帯で連絡を取るためかその場を後にした。


「ヒルト、何処見てるのか知んないけど――最初はあたしと一緒に食べるわよ!」

「え?」


 振り向く俺、するりと腕を取る鈴音は俺がちゃんと靴を履く前に引っ張っていく。

 どうやら最初は鈴音と食事の様だが……。

 少し歩き、リラクゼーション・エリアに空いていたベンチがあったため、鈴音は其処に腰掛けると持ってきていた弁当箱を自信満々に開いて見せた。


「じゃっじゃーん! 今日はね、鶏肉とカシューナッツの甘辛炒めよ!」

「甘辛炒め? 美味しそうだな」

「ふふん、ヒルト。 美味しそうじゃなく、美味しい! のよ」


 腰に手を当
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