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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第569話】
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姉さん鼻が高いわーッ!」
明らかに贔屓されてる実況に、照れ隠しで俺は視線を逸らした。
「っ……一瞬で三機のハチマキを……」
「い、いつの間にヒルトさん、あれほど腕をあげてましたの……!?」
「あ、あたし達と同じ体操着だってのに、あの機動……!?」
「つ、強くなってくれるのは嬉しいけど、でも――」
「あぁ、敵に回せば……わかる。 異様なプレッシャーを……」
「……っ。 ハチマキ、とれる気がしない……」
箒、セシリア、鈴音、シャル、ラウラ、簪とヒルトの電光石火による三機からハチマキを奪った速さに戦慄していた。
一方の未来。
「速い……! でも数では私達が優位だから協力すれば――。 ダメだ、ハチマキは一本……一五〇〇点。 協力したからってハチマキ争いは避けられない……!」
そう、事実互いに協力すれば確実にヒルトからハチマキはとれる。
だがそれで一五〇〇点とれるのは一組だけなのだ、既に協力前提っていう考え自体が破綻している。
「お兄ちゃんからハチマキ奪う方法……。 思い付かないよぉ……」
妹の美冬も困っていた、性能差とかの話ではなく明らかにヒルトの技術が短期間で向上していたからだ。
誰かを出し抜くというのも美冬には難しく頭を悩ませる結果に。
「うーん。 ハチマキは欲しいけど……ヒルトは私のマスターだし……。 あぅぅ……」
美春も同様だった、天真爛漫な彼女自身、今回の種目も楽しんでいたがヒルトが相手になるとそれ所ではなくなる。
だが、エレンはというと違っていた。
「……やはり君はスゴい。 ――例え私のハチマキをとられようとも、真っ向勝負なら悔いはない!!」
シールド・ウィングが大きく可変、空戦モードに移行させるとエレンが動いた。
「エメラルドさん!?」
「すまない! ……だが私は、純粋に勝負がしたいのだ!」
先に動いたエレン――俺はハチマキ片手に各部スラスターを点火させる。
クイックブーストによる瞬間加速――其処からの三次元機動、先に動いたエレンより速く、トップスピードに乗り、限界速度を越えた。
全身に掛かるGの衝撃も、イザナギが緩和してくれるお陰で負担はほぼほぼなかった。
ハイパーセンサーから見える景色が凄まじい速度で流れていく――アリーナでは出せない、その速さにエレンは驚きを見せた。
接触まで直ぐだった、黒と緑が交差と同時にハチマキを奪い合う激しい攻防が繰り広げられる。
惜しむのはこれが模擬戦ではないことだ、やってることはハチマキの奪い合う――だけど、その攻防自体目を見張るものだった。
「す、すご……」
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