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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第四話 災厄に魅入られし少女の着任
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?」

時雨が首を傾げる。
時雨の言葉を聞いた榛名が頷いて答えようとしたとき、目的の建物からよくありそうなセーラー服に身を包み、薄紫色の長い髪を花の形をした髪留めでサイドテールにした少女が出てきた。おそらく彼女もまた艦娘なのだろう。

「あっ……」

艦娘と思われる少女は凰香達の姿を見た瞬間、信じられないものを見る目で固まってしまった。
凰香はそのことを少し疑問に思いながら、怖がらせないように話しかけた。

「こんにちは。執務室はこの建物にありますか?」
「ッ?!」

凰香が話しかけた瞬間、艦娘と思われる少女がビクッと身体を震わせて後退りする。怯えているのがまるわかりなのだが、それにしては怯え方が異常だった。
凰香はさらに疑問に思いながらも艦娘と思われる少女に話しかけた。

「……私達、今日からーーーー」
「こ、こっちに来んな!!」
「「「?!」」」

凰香がそう言いながら艦娘と思われる少女に近づこうとしたとき、艦娘と思われる少女の口からそのような言葉が飛び出してくる。
突然の叫びに時雨、榛名、夕立の三人が身体をビクリと震わせる。

「二度と近づくなぁぁぁぁぁぁっ!!」

艦娘と思われる少女が鬼のような形相でそう叫びながら、一目散に何処かへ走り去ってしまった。
凰香が走り去ってしまった艦娘と思われる少女を見ていると、榛名がポツリとつぶやいた。

「……曙ちゃん…どうして……?」
「榛名、あの艦娘を知っているの?」

防空棲姫が榛名に聞く。すると榛名が頷いて言った。

「はい。今走り去っていったのは綾波型駆逐艦の八番艦『曙』です。普段もあまり提督に対してはあまり友好的な態度ではありませんが、それでも提督のことを嫌っているわけではありません」
「それがおそらく前任者の影響で、完全に『人間』に恐怖心を抱いてしまったと」
「おそらく………あと、先ほど榛名が言おうとした『気になる』ことですが」
「ああ、一体何が気になるんだい?」

時雨が思い出したように榛名に聞く。
榛名は少し間を空けてから口を開いて言った。

「……艦娘達の雰囲気が変わっていないんです」
「雰囲気が変わっていない?」
「はい。艦娘達の雰囲気があの男がいた時と全く同じ雰囲気なんです。そうですよね、夕立ちゃん?」
「はい。夕立もさっきからずっとそう感じていました」

榛名の言葉に夕立が頷く。
二人とも前任者がいるときの鎮守府のことをよく知っている。二人がそう言っているのなら間違いないのだろう。
しかしここで一つの疑問が生まれる。それは『なぜ艦娘達の雰囲気が変わっていないのか?』ということだ。ここには前任者は
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