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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act7 取り返した平穏
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コイツが弁護士として活躍してたのは俺達が寝てた間だったから上さんに聞いた話だが、既に依頼者から“先生”呼ばわりされてるくらいの多忙ぶりらしいな?」
「皮肉を言うとは、良いご身分だなぁギル?いい加減その軽口閉じないと――――縫・う・ぞ?」
圧力三割増しの士郎の笑顔にたじろぐエギル。
これ以上この話題を続けると本当にされかねないと恐怖を感じたエギルは、無理矢理士郎の料理人としての話に戻します。主に褒める方向性で。
「そ、そういやぁ、士郎の料理の腕はテレビで何度も紹介されて来た料理の鉄人や巨匠クラスの人達からも、声を掛けられるほどの腕前なんだぜぇ」
「へ、へぇ〜、そうなのか」
エギルの無理矢理な話題変更にキリトは即座に乗りました。
そうしないと
エギル
(
戦友
)
が危ないと本能的に感じ取ったからです。
その2人の態度にヤレヤレと士郎が溜息をついて剣呑なオーラを止めます。
「褒めてくれるのはいいが、そろそろ厨房に戻っていいか?」
「あ、ああッ!」
「どうぞ、どうぞ!」
エギルとキリトに促されて士郎が厨房に戻った後、黙っていたクラインが店主に向けて言います。
「なあ、あのシェフも二次会に誘おうぜ?楽しそうじゃね?」
「アイツは多分、この後仕事で来れないと思うぞ?」
「そこを何とかすんのがお前の仕事じゃねぇか。10年来の友人なんだろ?」
「これ以上アイツに無理させるのは止してくれ。酷い目に遭うぞ?」
「お、俺が?」
「主に俺が。いや、俺だけが」
心からの言葉に聞こえたクラインは、哀れみを籠めてそっとしてやろうと悪乗り精神を抑えたのでした。
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