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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act7 取り返した平穏
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「何所の誰かっつーなら、今
ダイシー・カフェ
(
此処
)
に来てるぜ?」
「へ?」
「おーい、士郎!ちょっとこっち来られるかー?」
間抜けな声を出すキリトに構わず、エギルは奥にある厨房に向けて、士郎を呼び出します。
返事の声はありませんでしたが、代わりに何だ?と言いながら士郎が出てきます。
今の士郎の格好は赤と黒を基調としたオーダーメイドの執事服です。
そんな士郎を見て、キリトと1人誰からも離れていた直葉が、驚きながら瞬時に立ち上がります。
「「あ、あの時の!?」」
直葉はネームレスのアバターとそっくりの人がいる事に驚き、キリトは探していた目当ての人物がこんなすぐ近くにいた事に驚いている様です。
対して士郎はまずキリトへ声を掛けます。
「ん?あー、あの時の少年――――桐ケ谷和人君だったかな?」
「え!?如何して俺のフルネームを・・・」
「ファブリスさんに聞いていたからな。そもそもあの日の夜、君の行動パターンを読んでいたあの人からの連絡で俺は間に合ったのさ」
「そうだったんですか・・・。グランドクエスト攻略の援護と言い、あの時はありがとうございました」
「なんのなんの。俺も現実での調査が行き詰ってたから、世界樹の上には用があったからお互い様さ」
キリトの感謝の言葉に士郎はラフに応じます。
そんな士郎の顔をじっと見ているキリトは、まだ何か聞きたそうな顔をしています。
「何かな?」
「いやその、如何してネームレスのアバターと同じ顔なのかと・・・」
「あくまで予測だが、ALOのサーバーはSAOのコピーだと聞いてるから、その影響――――バグなんだろうな。最初は単にレアアバターだと思ってたんだがな」
苦笑しながら説明する士郎にキリトは成程と頷きました。
「そう言えばエギルとは如何いう関係なんですか?」
「10年来の友人だな・・・・・・一応」
「一応って何だよ!年上をもっと敬え!」
「だったらもっと年上らしい事をしてくれよ?人が多忙の次期からようやく抜け出したその日の内に、オフ会の飯作りに来いって、とても敬いたくなる年下の言動とは思えないな?」
当然の憤りを指摘されて、エギルは目を逸らしました。
その2人の会話を間近で聞いていたキリトは目を見開きます。
「ひょっとして・・・・・・この特別メニュー票の料理、貴方が作ったんですか!?」
「ああ。それと自己紹介がまだだったな。衛宮士郎だ。好きに呼んでくれて構わない」
『へぇ〜!』
『えぇええ!?』
士郎登場時から彼に注目が集まっていたので、全員多かれ少なかれ驚いています。
「もしかしてお仕事は他の店のシェフとかですか?」
「いんや、コイツは弁護士だよ。
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