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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act7 取り返した平穏
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解りませんでしたけど、このメニュー票、二ページ目と三ページ目もあるんですよ」

 ほらーと、ページをめくりながら今来たばかりの二品の品名をシリカが指を指しました。
 あっほんとだーと、呑気に言ってから一拍置いてリズは唸り声を上げます。

 「ちょっと、エギル!もうちょっと判りやすいメニュー票に出来なかった訳!?」
 「仕方ねぇだろ?このメニュー票は今日の昼頃即席で作ったんだからよ」

 少し離れたリズからの苦情にエギルが言い返していると、少し前からの心配事をキリトが口にします。

 「なあ、エギル。ホントに大丈夫なのか?」
 「あん?」
 「いや、今日の会費が無料でさ?それにその本日特別メニューに載ってる料理の食材と言い、相当値が張るだろ?なのに・・・・・・」

 キリトの心配も当然ですが、エギルは白いをむき出しにするように笑顔を作りながら答えます。

 「心配ご無用!今日の会費も特別メニューの食材費用も全部ファブリスさんからの奢りだ。俺も流石に全額出してもらうのは気が引けたんだけどよ?これからの俺達への祝福を籠めてって押し付けられちまったんだよ」
 「あの人が・・・・・・」

 キリトはまだ二回ほどしか会っていないファブリスの事を思い出します。
 正直今日まで何処か得体が知れなくて近寄りがたいと感じていたようですが、アスナの情報提供の時と言い、今回の事も含めて認識を改めると共に何れまた会う時が来たら謝罪とお礼をしようと心に決めたようです。
 そこでキリトは、ある事を思い出しました。

 「そういやぁエギル。謝罪と感謝で思い出したんだが、ALO(アッチ)でも現実(こっち)でも助けてもらった人の特徴話した時、心当たりが有りそうな感じだったけど・・・」
 「んん?・・・・・・あ―――――そういやぁそうだったな」
 「で、如何なんだ?」
 「あるつぅーか、1人しか思い当たらねぇな・・・」
 「何所の誰か教えてくれ。まだちゃんとしたお礼も出来てないんだよ」

 またも悪用されたVRMMOというゲームが復活すると同時に、運営会社は変化したものの、ALOも同時に復活を遂げたのですが、その仮想世界であれから一度もネームレスと会えていないのです。
 また、リアルでの知り合いであるケットシーの領主アリシャ・ルーに聞こうとしたようですが、特定のプレイヤーのリアルに勝手に探りを入れるのはマナー違反中のマナー違反である為、思い止まったのです。
 ですから、キリトは未だにお礼を言えず仕舞いだった事を心の片隅で気にしていました。
 本当であればエギルに聞くのもマナー違反なのでしょうが、聞かずには入れなかったようです。
 勿論断られれば、それ以上の追及もしないつもりの様です。
 しかしエギルはあっさりと言います。

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