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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十二話 予感
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に着いた。俺も席に着く、トリューニヒトとシトレが向き合い、俺はシトレの横だ。トリューニヒトは俺の斜め横になる。

トリューニヒトが笑みを浮かべながら“遠慮なく食べてくれ、夕食は未だだろう”と声をかけてきた。遠慮なくいただくことにした。テーブルにはサンドイッチの他にサラダ、チーズ、揚げ物が置いてある。飲み物はワインと水だ。サンドイッチを取りグラスには水を注いだ。

「ヴァレンシュタイン准将、君は少しも驚いていない様だね」
「そんな事は有りません、大変驚いています。良識派と言われるシトレ元帥と主戦論を煽る扇動政治家が裏で繋がっていたのですから」

俺の言葉にシトレとトリューニヒトが顔を見合わせて苦笑するのが見えた。間違いない、この二人はかなり親しい。シトレに呼ばれた以上、話は宇宙艦隊司令長官の件だろう。となれば話に加わるのは国防委員会の有力者、又は政府の実力者だ。可能性としては先ずジョアン・レベロと考えていた。

トリューニヒトも考えないではなかったが、シトレと二人で俺を呼ぶことは無いと考えていた。誰か仲立ちが居るはずだと……、だがこの部屋には、トリューニヒト、シトレ、俺の他には誰もいない。この二人の繋がりは昨日今日のものじゃない。サンドイッチを頬張りながらそう思った。

「私がシトレ元帥と親しくなったのは君のおかげだよ、准将」
「?」
「例の情報漏洩事件だ。あの件では私もシトレ元帥も随分と苦労した。お互い面子も有ったが危機感も有った。一日も早く情報漏洩者を押さえなければ大変なことになったからね」

「もっとも私も委員長も余り役には立たなかった。事件が解決できたのは貴官のおかげだ」
あれか……、警察と軍でどちらが主導権を握るかで身動きできなくなった件だな。あんまり酷いんで俺も少し手伝ったが、あれがこの二人を近づけたか……。

なるほど、そういう事か……。ロボスはこの二人が繋がっているのではないかと疑った、或いは気付いた。そして繋げたのは俺だと邪推した。全くの邪推でもない、結果として俺がこの二人を結びつけたのは事実だ。但し、俺の知らないところでだが……。

となるとロボスが俺を嫌ったのはヴァンフリートが原因じゃない、いやそれも有っただろうがむしろこっちの方が主だっただろう。ロボスは何時気付いたのだろう、ヴァンフリートの会戦の前だろうか?

だとするとヴァンフリートでロボスが基地防衛よりも艦隊決戦に固執したのも或いは俺を見殺しにするつもりだったのかもしれない。原作通りの流れではあるが、動機は別という事は十分あり得る。どうやら俺は知らぬ間に軍上層部のパワーゲームに巻き込まれていたらしい。

道理でロボスが更迭されることを恐れたはずだ。トリューニヒトとシトレが結びついた。そしてグリーンヒルが参謀長として付けられ、グリーンヒ
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